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第5回 夏の大会まで2ヶ月間をどう過ごすのか2009年05月09日
第5回高畑好秀メンタルスキル向上コラムのテーマは「夏の大会まで2ヶ月間をどう過ごすのか」です。
夏の大会まで残り2ヶ月。いよいよ迫ったきた勝負の夏に向けて、皆さんの「考える」事のヒントになれば幸いです。
高校野球情報.com スタッフ一同
計画を立てて取り組もう

まず大前提として、もう一度何のために高校野球をやっているのかを明確に考えなければならないと思います。
もちろん勝負事ですから勝ちたいのは分かりますが、「勝ちたい!勝ちたい!」の思いだけに気持ちが支配されると、何か気持ちだけ焦ってしまい、自分のやるべき事を冷静に見れなくなってしまう。
終わった後に高校野球を通して、人として成長できたなと思ってほしいですね。
高校野球を終えて、プロ野球や大学野球、社会人野球に進む選手以外はほとんど野球を卒業していく。
勝ったから「やった~!」とか、負けたから「あ~終わっちゃった~!」だけではなくて、野球をやったことが、本当の意味で次の人生に活きていくようにして欲しいです。
そういうふうに考えた時に、今から夏の大会までの2ヶ月。
「本当に今の自分をどう高めていくのか」計画を立てて取り組む必要があります。
3年生はマラソンで言えば、ラストスパートの時期です。マラソンはゴールが見えてくるとラストスパートをかけれます。だからこそ、ただがむしゃらにやるというのではなくて、有効的なラストスパートをかけて欲しいですね。
やはり二年生にとっては、同じ夏の大会2ヶ月前でもマラソンでいえば、真ん中。残り20キロでラストスパートをかけろといってもなかなか難しいですよね。ましてや、一年生にラストスパートかけろっと言ってもまだスタート地点だから。
じゃ、ラストスパートをかけるのに何を目的にするのかが大事になってくるわけです。
2ヶ月の目標設定。
(漠然と)「優勝するんだ!」ではなくて、(具体的に)「前にいる奴を3人抜くんだ!」と。その為にはどういうラストスパートをしたら良いんだろう。どういう駆け引きをしたら良いんだろう。そう考えてラストスパートをかけ、結果として3人抜ければそれは合格じゃない?2ヶ月の目標設定をクリアしたのだから。そういう感覚で2ヶ月を過ごしして欲しいです。
ただ最後だから頑張るでは駄目だよね。逆にがむしゃらにいって途中でへばってしまい、ゴール前で何人にも抜かされたらもったいない。
もちろん、あまり欲をかく必要はないと思います。2ヶ月なんていうのは限られているのだから。やるべき事を一つに絞った方がよいですね。
やり方としては苦手なものをできるようにするのも一つの2ヶ月の使い方です。今までできなかった事が少しでもできればそれはそれで成長です。
例えば、今までインコースを投げるのが苦手な投手が、大会でインコースのボールだけは決まったとする。仮に結果として負けはしてもそれはそれで合格なのかなと思います。
逆に自分の持っている一番良い能力に更に磨きをかける2ヶ月としても良いと思う。
それはどっちでも良いと思います。大切な事は、自分が考えて、どう取り組んで、試合を通して、これだけは自分がやってきた事が表現できた、と。そういう思いを持って終える事が大切なんじゃないかと思います。
ただ漠然と過ごしていてけば、2ヶ月なんかはあっというまに過ぎてしまいます。もったいないよね。意外とみんな「勝つぞ!勝つぞ!」と思っていて、何して良いか分からないうちに2ヶ月過ぎてしまうのが多いですよね。
2ヶ月というのは短いけど、しっかり考えながら取り組めばまだ2ヶ月あると考えられます。この2ヶ月を意味のある2ヶ月にして欲しいですね。
踏ん張る力
また最後の最後で踏ん張る力というのは日々の練習で漠然としていたらそういう場面で踏ん張れないと思う。
ではどうするか?
「今までやってきたことを表現するんだ」という明確な目的があれば、そこに集中していけるし、踏ん張っていけるのだと思います。
ただ漠然と「勝つんだ!」では、漠然しすぎて動けないよね。
最後の2ヶ月で、できるようになったことを試合の中で大切に表現していけば良いんじゃないかな。最後までしっかりとした自分の考えの下に行動していく、それが踏ん張る力にも繋がると思いますね。だって明確な目的無しに踏ん張りようがないでしょ。
勝敗は後からついてくる
ただ、気をつけて欲しいことは、私は常に言っていることなのですが、負けようと思って試合に臨んでいる人間なんて1人もいません。でも、勝たなきゃ、勝たなきゃと思って、そう思えば全部勝てるというほど勝負事は甘くない。
何故なら、勝ち負けは相手のあることだから。相手がそれを上回っていればそれは負けてしまいます。
でも自分がやって来た事をその場で表現できるという事は、自分のたてた目標に対しては勝てているわけです。だからそういうところの評価を大事にして欲しいですね。
バントが苦手な選手が、それこそバントをとことん練習して試合でしっかり成功できたなら、その選手にとっては、それは「勝ち」だよね。
当たり前だけど、勝ち負けの結果というのは自分の力を出し切った後におのずとついてくるものです。あまりそういうのに惑わされない方が良いと思いますね。
9人が9人自分の力を出し切っても負ける時は負ける。
勝負事は本当に分からない。
そう考えると、逆に、勝ちばかりを意識してそれがプレッシャーとなり、ガチガチになり力んで、自分のパフォーマンスを全く出せなかったというのは非常にもったいない。
それだったら自分を最高に表現する場だなんだ、もっといえば、自分のやって来た2年半を表現する場、もっと突き詰めれば、最後の2ヶ月間取り組んできたことをこれだけは試合でしっかりだそうと、そういう具体的な思いを持ってそれを出し切ればよいと思います。
勝敗は(過度に)意識することではないと思う。意識したから勝てるわけではありません。
やはり人は自分の力を出し切ることしかできないですから。自分の力を出し切ることに意識を置いた方がよいと思いますね。それで出し切って負けたらそれはしょうがないでしょ。力が相手のほうが上回っていたのだから。
また勝負事と言うのは運も左右します。なんでもそうですよね。
そりゃ、討ち取ったあたりでもヒットになるし、その逆もある。それは運でしょ。勝敗はそういうものにも左右される場合があるので、そこには一喜一憂しないことです。自分の中で打ち取ったあたりがヒットになっても、それは成功だと思えばよいと思います。
(一つの結果に一喜一憂しない)そういう事を試合の中で一つ一つ丁寧に積み上げていく。そして、一つ一つ積み上げていく作業はいきなり試合ではできない。
だからこの2ヶ月で自分がやるべき事を目的に沿って積み上げていくという癖をつけていくというのも大事なのではないでしょうか。
まとめ
■三年生はラストスパートをかけれる。「自分をどう高めていくのか」考え、計画をたててその目標に向かい一つ一つやるべき事をつみあげよう。
■勝敗は後からおのずとついてくるもの。まずは自分の力を発揮できることに意識をおこう。

- 高畑 好秀先生
- 生年月日:1968年
- 出身地:広島県
- 早稲田大学人間科学部スポーツ科学科スポーツ心理学専攻卒。日本心理学会認定心理士資格を取得。同大学運動心理学研修生修了の後、数多くのプロ野球、Jリーグ、Vリーグ、プロボクシング、プロゴルファーなどのプロスポーツ選手やオリンピック選手などのメンタルトレーニングの指導を行う。また多数の著書の刊行、講演、研修等でメンタルトレーニングの普及に努め、現在最も注目を集めるメンタルトレーナーの第1人者である。
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