第4回 部員同士の意識差をどう埋めるのか2009年03月11日

第4回高畑好秀メンタルスキル向上コラムのテーマは「部員同士の意識差をどう埋めるのか」です。
チームをまとめる立場の生徒さんなら少なくとも一度は考えた事があるテーマではないでしょうか。
皆さんの「考える」事のヒントになれば幸いです。

高校野球情報.com スタッフ一同

人間だから意識の温度差がある

人間が集まれば意識の温度差は絶対に生まれます。温度差は埋まらないと思います。

温度差を埋めようとするよりも原点に立ち返る、「何のために野球をやっているのだろう。」と考えるのが良いのではないでしょうか。

温度差が生まれる根本の原因は野球に対する考え方だと思います。

根本は共に楽しみたい。ただ、その楽しみ方の形が違うのでは?一方は勝って楽しみたい。一方は勝負に拘らず楽しみたい。だったら、どうやったら楽しいのかをみんなで話しあったらどうでしょう?

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自分に意識を注力する

また「意識」の見かたですが、温度差をチーム単位でみたらありますが、野球を個人競技と考えるのはどうでしょう。全部出し切ったから勝てるとも限りませんが、一人一人が自分の力を100%出し切れたらそれは勝てる可能性は大きくなってくるのでは?


野球を集団スポーツという形で捉える意識が強すぎるのでしょうか?個人スポーツと捉える目線が必要になってくるのではと思います。日本は村社会なのであまりにも集団にとらわれ過ぎている気がします。そこの意識を切り捨ててみるとこの問題が解消するかもしれません。

よく日本人は野球に限らず学校の先生が「クラスのみんなで仲良くしよう。」と言います。無理ですよね。クラス40人が全員均等に仲良くはできません。一人一人みんな違います。個性を持っています。という事はそこに意識の差が生まれても当然です。感情の差も生まれます。

幻想にとらわれるのではなくて、一人一人で見ていく視線も必要だと思います。


結局、みんな一人一人が上手くなれば良いと思います。極端にいえば、その典型がプロ野球ですよね。個人事業主の集団ですから。その中で采配を出されればチームの為に動きますよという話です。

同じ意識をもたなくてもいいのでは?

同じチームだから同じ意識でないといけない、というのはストレスになります。

例えば仲間内で食事をしていました。次、カラオケ行こうぜってなったとします。その中で行きたくない人がいるとします。「みんなが行くって言っているのになんで行きたくないの?」と言われても行きたくないものは行きたくないですから。行きたくない人に首に縄つけて連れて行っても逆効果です。「お疲れさん。俺は少し歌いたいから歌ってから帰るよ。」で良いですよね。

野球も同じで、合同練習の時は一生懸命やって個人練習に関しては個人に任せていいと思います。


「結局何のためにやるの?」となった時、チームが勝つためにやるというのは最後に考える事で、それに至るまでは個人技術の向上を考えるべきだと思います。

そう考えたら自分が上手くなればよい。一人一人が自分のペースで上手くなっていければいいと思います。みんな伸びるスピードも違うしやりたいと思う気持ちのスピード、タイミングも個人個人で違います。

だから無理なことは無理と割り切る事も必要です。


しかし、人間が他の動物と違うのは共同作業ができるという所です。野球で共同作業をすればいいのだと思います。チームプレーは共同作業ですよね。ゲームにおいては、チームとして一体として動くのだから共同作業でサインの遂行で、バントしたり進塁打を狙ったりする。共同作業もチームとしてというより個人としてそこの共同作業の最高のパフォーマンスをするという意識でやればいいのです。


個人で考えたらものすごくシンプルです。個人の力を高めていき、試合で自分の力を発揮する。それ以上でもそれ以下でもない。

高校野球には元々チーム一丸となってという意識が土壌としてあります。だからこそ逆に少し足りない個人主義を導入してもいいんじゃないかな。

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感動を共有する

「個」を持ちながら共に完成させていく共同作業のもとに何か一つの事が完成した時に感じる「感動!」をチーム全員で共有することは大事ですよね。

人は理屈ではなく感動して動くものです。何かを感じて感動する事は大事だと思います。

感動することによってチームのメンバーに対しての意識も変わってくると思います。今まで意識の低いメンバーもよしやろうと思うかもしれません。意識の高い選手を見て、その世界に感動して、その意識の高い選手に引き連られ意識の低い選手も意識が高くなっていく。強制ではありません。

人ってそうだと思いませんか?理屈を並べ「おまえ意識低いだろう」と言われても動きません。でもなんか感動したら、やりたいと思うじゃないですか。

そこがポイントです。感動を共有する事だと思います。

そこに本当の仲間意識が生まれてくる。共同作業のもとに感動経験を共有した仲間は違うと思います。意識の強要じゃない。結果として、意識を共有するものです。

そこに持っていくためには一人一人独立した個人であるべきです。他人によりかかっている人間の集まりじゃ駄目ですね。

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まとめ

人間だから意識の差は必ずあるものと認識。

その人の個性を尊重し、他人より自分に目をむけよう。

みんなで感動を共有した結果として自然な形の意識の共有。

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プロフィール

高畑好秀先生
高畑 好秀先生
  • 生年月日:1968年
  • 出身地:広島県
  • 早稲田大学人間科学部スポーツ科学科スポーツ心理学専攻卒。日本心理学会認定心理士資格を取得。同大学運動心理学研修生修了の後、数多くのプロ野球、Jリーグ、Vリーグ、プロボクシング、プロゴルファーなどのプロスポーツ選手やオリンピック選手などのメンタルトレーニングの指導を行う。また多数の著書の刊行、講演、研修等でメンタルトレーニングの普及に努め、現在最も注目を集めるメンタルトレーナーの第1人者である。
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