Column

半袖による皮膚トラブル・日焼け対策

2013.05.30

汗による皮膚トラブルは意外と多い

こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

だんだん暖かくなり、日中だと半袖で過ごせるほどの陽気となってきましたね。屋外でプレーする野球は紫外線を浴びる機会が多く、こんがりと日焼けして皮膚が色黒くなってしまうことも多いと思います。最近では紫外線による影響で日焼けのみならず、皮膚のトラブルに見舞われることも多いため、これからの時期、皮膚に対するケアやトラブル予防にも注意をしてほしいと思います。

【半袖になると気をつけたい皮膚トラブル】
暑い時期になってくるとプレー中などに大量の汗をかき、汗に含まれる成分(ナトリウムや尿素など)が皮膚を刺激して炎症を起こしやすくなります。「あせも」は汗によって皮膚の汗腺がつまることで赤くただれる症状、汗がたまりやすい膝裏や肘、首周辺部などに見られる肌のかぶれは「湿疹」や「皮膚炎」の一種です。また皮膚が長時間にわたって紫外線を浴びると、皮膚の免疫力が低下して細胞が傷つき、炎症症状を起こすいわゆる「日焼け」状態となります。日焼けした皮膚は炎症によって赤くなったり、ヒリヒリとした痛みやかゆみを伴ったりすることがあります。さらに日焼けが進行して皮膚へのダメージがひどくなると、水疱がみられる、発熱が起こるといったこともあります。またこの他に皮膚の露出が多くなることによって、虫さされなどのトラブルにも見舞われやすくなります。

【皮膚の感染症などにも注意】
細菌やカビなどは高温多湿の環境で繁殖しやすいため、皮膚の免疫力が低下しているとさまざまな菌に感染しやすくなります。湿気の多い時期によく見られる水虫(白癬菌=カビの一種が付着することで強いかゆみや水ぶくれを起こす)、ヘルペス(もともとヘルペスウイルスを持っている人が、免疫力低下によって活性化されて出現した状態)、おでき(黄色ブドウ球菌が毛穴の奥に感染して炎症を起こす。腫れや痛みがあり化膿する)などが代表的な感染症です。


6月~8月は暑さだけではなく紫外線対策も

【紫外線対策も考えよう】
紫外線は3月頃~増え始め、6月~8月の時期がピークとなり、9月に入ってもまだまだ紫外線量が多いと言われています。野球は屋外でのスポーツですので、日光の紫外線による日焼けはある程度考えておかねばなりませんが、過度の日焼けは皮膚のダメージのみならず、体調不良にもつながってきますので注意が必要です。肌が赤くヒリヒリと炎症を起こした状態が続くと、身体全体の体温上昇につながりますし(熱中症予備群)、痛みやかゆみがひどくなってくると集中力の欠如にもつながります。大きなケガにつながらないようにこうした痛みやかゆみがある場合は、早めに対処するようにしましょう。

日焼けの対策としては赤くなった部分を氷で冷やすことがまず大切です。その後、皮膚を保護する保湿クリームなどで皮膚への水分補給と保湿を行うようにしましょう。数日経つと皮膚の炎症が落ち着いてきますが、皮がむけ始めてしまったらなるべく自然にむけるまでさわらないようにしましょう(はがしてしまうと皮膚の色ムラにつながる)。紫外線の強い時期はあらかじめUVケア用のクリームなどで日焼け対策を行うことも一つです。

長時間、屋外で過ごすことによって皮膚へのダメージのみならず、熱中症などの症状が出ることも考えられます。紫外線の影響を最小限にするためにも、帽子を必ず着用し、練習の合間には日陰で水分補給を行う等、体力の消耗を抑えるような休憩の取り方なども工夫してみてくださいね。

参考サイト)セルフドクターネット「夏の皮膚トラブル」
https://www.selfdoctor.net/q_and_a/2011_07/index.html

【半袖による皮膚トラブル・日焼け対策】
●汗によって「あせも」「湿疹」「皮膚炎」などが起こるケースがある
●高温多湿の環境になると皮膚の感染症が起こりやすい
●紫外線は6月~8月にかけてピークを迎える
●日焼けしてしまった皮膚は氷などで冷やすことが大切
●日焼けは皮膚の炎症。ひどい場合は体調不良を引き起こす
●日焼け止めクリームの使用、帽子の着用等、日焼け対策を心がける

(文=西村 典子

次回、第70回公開は06月15日を予定しております。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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