第403回 上宮太子高等学校(大阪)「秋優勝も、打倒2強という目標は変わりない」【後編】2016年12月13日

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[1]近畿大会ではベスト4入りを逃す
[2]エース最大の武器は観察眼 / 再び打倒2強を目指して

 後編では収穫と課題を得た近畿大会の模様を振り返っていきます。そして来年へ向けての意気込みを選手に語っていただきました。

近畿大会ではベスト4入りを逃す

エース・森田 輝(上宮太子高等学校)

 つながる打線は近畿大会でも底力を見せた。初戦高野山戦では強打の相手に森田が持ち味を発揮出来ずに5失点。2点ビハインドで9回を迎えていた。折出 智勇の犠牲フライで1点を返すが状況は二死走者無し。崖っ淵に追い込まれたがそこから試合をひっくり返した。続く準々決勝、選抜出場を懸けた神戸国際大附との大一番は5回まで2対2。スコア上は互角だったが森田が見事なピッチングで試合を作る。すると打線は6回に相手のバッテリーミスで1点を勝ち越す。しかし、試合が動いたことで直後に落とし穴が待っていた。

「守りにいったわけではないんですけど、いっぺんに9点なんで弱さが出てしまった。森田もコントロール出来なくなっていた」とベンチで戦況を見つめる指揮官がそう話せば、マスクをかぶる平田 航大(2年)は「森田も緊張からか力が入っているのか、かわしにいった変化球を打たれました」。勝ち越した直後にビッグイニングを作ってしまい、緊迫した展開が一転、まさかのコールド負け。

「6回先頭を出してから狂ってしまった。変化球を狙い打ちされて、僕の考えの甘さが出た回でした」そう話す森田は試合の大勢が決まった時、マウンドを丸岡に譲っていた。
「僕は豪速球を投げるピッチャーじゃなく低めで打ち取るピッチャー。そこに投げられないと失点につながるので、そういうコントロールは意識しています。近畿大会では、高めに浮いた球はコースに決まっていてもホームランを打たれたので、低めに投げないといけないと実感しました」
近畿大会では悔しさを味わった森田だが、日野監督は森田の投手としての素質を高く買っている。

エース最大の武器は観察眼

 今秋、大阪を制する原動力となったエースの森田 輝。入学当時、「すごい腕の振りが良かった」というのが日野監督の森田に対する第一印象だった。キャッチボールでも素質、能力の高さは際立っていた。ただ、最高球速は140km/hを超えるがパワーピッチングでガンガン押せるタイプではない。追い込めばタテスラで三振も狙えるが、登板の度に奪三振数が話題になるわけでもない。一見すればよくいる好投手の1人に過ぎない。

 その真骨頂は打者や状況によって押すか引くかを嗅ぎ分けピッチングを組み立てられる「観察眼」にある。
「小学校からピッチャーをやらせてもらって、いろんなバッターを見てきました。打席に入る前のスイングや足の上げ方を見てます」
最も多くの情報を入手出来るのはイニング間の投球練習だ。平田のミットめがけて投げ込むだけでなく、どのコースのどの球種を狙っているかをチェックしている。

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プロフィール

小中 翔太
小中 翔太
  • 1988年大阪府生まれ、京都府宮津市育ち。大学野球連盟の学生委員や独立リーグのインターン、女子プロ野球の記録員を経験。主なWebの寄稿は高校野球ドットコム。また、野球専門誌「Baseball Times」にて阪神タイガースを担当し、スポーツナビやYahoo!ニュースにも寄稿する。大阪、京都を中心に関西の球場に出没中。
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