Column

城南高等学校(徳島)

2018.02.04


上田 拓人主将(城南)

21世紀枠でセンバツを経験。今度は自分たちの力で。

■2011年にはセンバツに出場
 徳島県立城南高校は、2011年のセンバツ大会に21世紀枠で初出場し、そこで兵庫の報徳学園を破った経験を有するチームだ。あれから6年間が経とうとしている今の徳島城南は、夏を見据えて冬のトレーニングに励んでいる。その様子を伺った。

■新しいチームの誕生日
 現在、選手は2年生21名、1年生16名とマネージャー10名という構成の徳島城南。部員同士の仲が良く、そんなチームの和を象徴する特徴的なエピソードがある。というのも、新チームがスタートして迎えた初めての練習試合で、選手たちは監督の誕生日を祝ったのだが、実は例年は夏大会のウイニングボールをプレゼントするところを、今年の夏は悔しい初戦敗退(レポート)で、それができなかった。「来年こそは県決勝のウイニングボールを監督にプレゼントする、と決めました」と現主将の上田 拓人は語る。この日が新チームの「誕生日」になった。

■強豪にサヨナラ勝利で弾み
 「初めての夏の甲子園出場を、自分たちで勝ち取ろうと話をしました。そのために、目標設定を大切にして、やるからにはとことんやろうと決めたんです」と上田主将は言う。そんな新チームが始動してからの活躍はどうなのだろうか。

 選手たちにとって、良いイメージが焼き付いた試合がある。それは新チームで挑んだ高松商との練習試合だ。1対0とリードで迎えた終盤、同点に追いつかれてしまったものの、投手を中心に踏ん張ってさらなる失点を防ぎ、9回裏にサヨナラ勝利を収めた試合だ。
 「強豪のチーム相手に自分たちの試合ができたのは、自信になりましたし、モチベーションにも繋がりました」と主将は言う。その後、高松商は秋季四国大会でベスト4入りを果たし、当の徳島城南も、県準々決勝で夏代表の鳴門渦潮に僅差で敗れたものの、県8強入りを達成した。

■チームの中心選手たち
この秋までに中心的役割を果たしてきたのは
・「1番・捕手」として、強肩でチームを救う張 大地
・秋の鳴門渦潮戦では一時逆転となる一打を放った「不動の4番」大谷 尚也
・「日本一球速の遅いエース」とチーム内で呼ばれる、直球は130kmに満たないスピードながら、変化球を織り交ぜて打ち取っていく投球が武器の丸山 元輝
・1年生ながら走攻守でチームを牽引し、3番打者として打点はチームトップを誇る久島 光太郎
このような面々が活躍を見せてきた。
上田主将が今後のキーマンとして指名するのは、島田 理央(2年)、鶴本 裕太(2年)、相田 優生(1年)の3名。彼らがさらに活躍を見せれば、チームは勢いづいていくだろう。

■下半身トレーニング
 オフシーズンの練習は、「バットを振る力、走る力などの基礎体力を向上させる目的」で行われている。オフの練習メニューを紹介してもらうと、「下半身トレーニング」というメニューが中でも特徴的だった。それは立ち幅飛び、うさぎ跳び、ランジなどをしながら、塁間よりわずかに長い距離を10~15往復する。これは名前の通り、下半身の強化が目的。選手たちは苦しみながら、夏に向けて確かな土台を作っている。「体を大きくして、強いチームに見劣りしない体格を手に入れるために、食事面など体のことに気を使って成長していきたいと思います」と選手は言う。

 「いい意味でレギュラーの入れ替えがあるぐらい、激しい競争をしたいですね」と上田主将。「やれるだけのことはやったと感じられるオフシーズンにします」と、このオフシーズンの抱負を語った。21世紀枠として選ばれて甲子園に行った経験。今度は、自分たちの力で掴み取る。

このページのトップへ

[page_break:バッテリーに聞く今後の目標]

左から丸山 元輝投手、張 大地捕手

バッテリーに聞く今後の目標

ここからは、丸山 元輝投手(2年)と張 大地捕手(2年)にお話を伺いました!

Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。

丸山:メンタルの弱さです。打たれると焦って投げてしまい、投球がワンパターンになって連打を喰らう場面が多くなってしまいました。
張:バッティング、そして捕手としての配球面。

Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいことを教えてください。

丸山:トレーニングや走り込みをしっかり行い、体重を上げ、球速を上げることを目標にしています。

張:秋が終わって感じた課題、バッティングと捕手としての能力をしっかりと上げていこうと思います。

Q. 応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください!

丸山:打者を翻弄する多彩な変化球とコントロールを見てもらいたいです。
張:肩です。自分が一番自信のあるところは肩なので、そこを見てほしいです。

Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

丸山:明るいところです。声の量は他のチームに負けません。
張:仲が良いところです。それも、ただの「仲良し集団」ではなく、しっかりと言いたいことは言い合える関係です。

Q. このオフシーズンで『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!

丸山:チームで一番信頼される選手になります!
張:高校No.1捕手と呼ばれるような選手に成長します!

丸山選手、張選手、ありがとうございました。

このページのトップへ

[page_break:監督が語るビジョンとメッセージ]

久島 光太郎遊撃手(城南)

監督が語るビジョンとメッセージ

 島 一輝監督にお話を伺いました。

Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 守り勝つチームを目指して、チームを作っています。勝つときは打って勝つことが多いですが、負けるときは守備のミスでの失点から崩れることが多いので、冬でのテーマは「基礎・基本の徹底」です

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 「萌えいづる春も、冬あらばこそ!」

<span style="font-weight:bold;" 島監督、徳島県立城南高校野球部の皆様、ありがとうございました!


今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.25

筑波大新入生に花巻東、國學院栃木、北陸の甲子園組! 進学校からも多数入部!

2024.04.25

【静岡】夏のシード16校が決定、聖隷クリストファー、常葉大菊川はノーシード<春季県大会>

2024.04.25

【北海道】昨秋全道ベスト8・知内は八雲と初戦!<春季全道大会支部予選組み合わせ>

2024.04.25

【埼玉】春日部共栄が完封勝利で2回戦進出!川越東、東農大三も初戦突破!昨秋ベスト16の細田学園は接戦落とす<春季大会>

2024.04.25

【春季四国大会逸材紹介・徳島編】阿南光にエース吉岡 暖を支える「もう1人のドラフト候補」 徳島商は春季大会チーム最多打点をあげた「恐怖の6番打者」

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!