都立豊多摩高等学校(東京)
集合写真(都立豊多摩高等学校)
野球の神様が味方した昨秋
■宮崎駿氏や谷川俊太郎氏の母校、都立豊多摩!
東京都杉並区成田西に所在する都立豊多摩高校は、1940年に開校された。OBにはあのスタジオジブリの映画監督の宮崎 駿氏や、詩人の谷川 俊太郎氏をはじめとして、多方面に著名人を輩出する高校として知られている。野球部は2015年秋まで都立城東の監督を務め、2016年から監督に就任した平岩 了監督の下、力をつけ昨秋の都大会では2回戦で都立日野と接戦を繰り広げ健闘。そんな都立豊多摩の冬の様子を覗いてみた。
■都立豊多摩の選手たち
2年生11名、1年生11名とマネージャ4名の総勢26名で戦う都立豊多摩。杉山 力斗主将が評するチームのウリは、学年問わず仲が良いこと。それぞれの学年にも個性があり、特に2年生は魅力のチームだ。昨秋活躍したのは、1年秋からエースを務める櫻井 優樹投手。夏に調子を崩し背番号3を背負い迎えた秋の大会では、全試合のマウンドに登り躍動。杉山主将に「彼がいなければベスト32はなかった」と言わしめる素晴らしい投球を見せた。さらに背番号1をつけた、内野手と投手を務める田中 翔選手も魅力。体格はそれほど大きくないものの、野球に限らず他の競技でもトップクラスだという身体能力の持ち主だ。打撃練習でもサク越えを放つ力を持ち、今後のチームのキーマンだと杉山主将は言う。
■野球の神様が助けてくれた都立府中工戦
昨秋の都大会予選を突破、そして都大会初戦でも勝利を収め、数々の強豪がひしめく東京でベスト32に食い込む活躍を見せた都立豊多摩。中でも都大会の1回戦、都立府中工戦は延長の末スクイズで制した大熱戦となった。この試合について杉山主将は、
「終盤でのラッキーヒットや、相手の落球など野球の神様が助けてくれたゲームだった」と振り返る。
■惜しくも敗戦、次の戦いへ
迎えた本大会2回戦の都立日野戦。櫻井投手の好投が光り、中盤に得点した都立豊多摩は2対0とリードして終盤へ。しかし都立日野の粘りに耐え切れず、逆転負けを喫した。この試合を杉山主将は、「試合自体は僅差ながら、実力は都立日野の方が大きく上回っていました。野球への姿勢や技量、体格を見てもまだまだ劣っていると感じさせられた試合になりました。今後は野球部1人1人が真剣に野球と向き合って練習に取り組みたいです」
と語り、自分たちの課題が明確になった試合となった。
この春はベスト8を目指し、さらなるレベルアップを図る都立豊多摩。「体を大きくする」、「他のチームに負けないくらいバットを振る」というテーマを持ち、冬の練習に挑む。そんな都立豊多摩の名物練習は「ポール&ポール」。ラグビーポール(片道90m)を往復し35秒でクリアすることが求められ、これを7~10本繰り返すこの練習は、23区内で2番目の広さを誇るグラウンドを活かした都立豊多摩ならではの基礎練習だ。
■冬のトレーニングへ向けての意気込み
杉山主将は冬のトレーニングに向け、「個々の努力はもちろん、日々の練習に真剣に取り組んでいきたいと思います。また食事の量をチームで増やして、身体を大きくすることにも重点を置いてやっていきたいと思います」と練習へ向けてのテーマを教えてくれた。この春、またひとつ成長した都立豊多摩の戦いに注目だ。
左から 田中 悠貴選手、杉山 力斗選手、櫻井 優樹選手(都立豊多摩高等学校)
妥協しない冬に
エースの櫻井 優樹投手、そして副主将で捕手の田中 悠貴選手にお聞きました。
Q. この秋を振り返って、見つけた課題を教えてください。
櫻井:7、8、9回で競り合っている展開での与四死球の数と、フィールディングが課題です。
田中:野手としては、非力な打線が課題だと思いました。
Q. それを受けて、この冬はどんな冬にしていきたいですか。
櫻井:投球フォームを安定させて制球力を上げ、基礎となる筋肉量を増やすようにします。
田中:「妥協しない冬」をテーマに、練習に臨みます。
Q. 次に、お二人が野球をする上でモットーにしている好きな言葉は何ですか。
櫻井:「為せば成る」です。
田中:「常笑野球」です。
Q. このチームの好きなところや他に負けていないところは何ですか?
櫻井:個性が豊かで1、2年生の仲が良いところです。
田中:同じく、みんなが仲が良いところが好きです。
Q. このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という冬の熱い宣言をお願いします!
櫻井:140km/hのストレートを投げる!そして、みんなに1試合を任せてもらえる投手に成長します。
田中:捕手として、二塁への送球を2.1秒以内に縮める。あとは体重を10kg増やし、飛距離を伸ばします。
櫻井投手、田中捕手ありがとうございました。チームの中心として活躍を見せてください!
[page_break:次の課題は「打撃力」]ロングティー練習の様子(都立豊多摩高等学校)
次の課題は「打撃力」
最後に平岩 了監督にお話を伺いました。
Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマをもってチームを作りあげてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りと冬のテーマを合わせてお願いします。
秋は守備力、春は攻撃力、夏は総合力をテーマにしてチーム作りをしています。秋の大会は、野球の神様の力を借りて、実力以上の結果が残せました。次の課題は「打撃力」です。冬は体重をアップさせながら、バットを振り込んでいくことがテーマです。
Q. これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちにメッセージをお願いします。
自分の課題に向けて、反復あるのみ。平凡の積み重ねが、必ず非凡を生みます。
平岩 了監督、並びに都立豊多摩高校野球部の皆さまありがとうございました。春夏の活躍に期待しております!
今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
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