第1回 林成之教授の勝てる脳の作り方2014年02月11日

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【目次】
[1]集中力を高める方法って?
[2]「統一・一貫性」をうまく利用する!
[3]4つの条件でチーム力を上げる
[4]チーム力向上のポイントを動画で解説

 日本大学の林成之教授は、脳のプロフェッショナルである脳神経外科医で、「勝負脳」、つまり「試合で勝てる脳」の作り方を、数多くのアスリートに伝えてきました。林教授の教えを受けた数多くのオリンピック選手や社会人野球チームが結果を残しています。
 もうすぐシーズンも幕開け。林教授に、集中力の高め方や、高校球児が本番で力を発揮する方法、試合で勝てるチーム作りなどを伺いました。

集中力を高める方法って?

日本大学 林成之教授

――練習や試合で『集中力を持ってやれ』という指示をよく聞きますが、そもそも集中力というのはどこから来るのでしょう?

林成之教授(以下「林」) 人間が、こう考えて、こうしたい、という気持ちから、その物事を達成するために必要となる脳の機能が「集中力」と言われています。人が考える仕組みの中に、自分にご褒美をあげる「自己報酬神経郡」というものが脳にはあって、それに従って集中力というのは生まれてきます。

――『脳にご褒美をあげる』とは具体的にどういうことでしょう?

 脳にご褒美をあげるというのは、自分で考えたことを自分で成し遂げる、ということ。つまり、『自分でやっている』っていう気持ちがないと、集中力というのは上がらないことになっています。『誰かにいろいろと言われてやりました』っていうのでは、集中力は高まらないんです。監督にあーしろ、こーしろって言われたら、『なるほど、俺もそう思う』というように、『自分を』っていう考えを出さないと、集中力というのは生まれてこないことになっているんです。

――集中力を高めるためにも、脳の仕組みが鍵になるのですよね?

 集中力を高めるには、物事を判断する時に基盤となる「統一・一貫性」という本能を使います。人間というのは、これに従って、正しいとか、間違っているとか、筋が通っていないとか、を判断しています。集中力というのは、一定の環境で高まることになっているので、目を閉じていても開けていてもわかる「統一・一貫性」の範囲を作ることが必要。つまり、集中するための「マイゾーン」を作るという考え方が大事なんです。

自己報酬神経郡とは?

 野球だと、バッターボックスは非常にいい「ゾーン」になります。駆け引きはバッターボックスの外でして、『中に入ったら、こっちのもんだ』っていう考えを持ち出すと、集中力を高めることができます。バッターボックスでは『今、ピッチャーはどう投げるんだろう』と、あれこれ考えるのではなく、来た球を素直に打ち返すこと。ピッチャーも、考える場所とプレーゾーンを分けるべきなんですよね。マウンドの後ろで考えて、マウンドに立ったら、いきなり全力投球するという、ピッチングをしたら、普通のバッターは打てないと思いますよ。

 それと、失敗した時、『しまった!』とか、『あれっ?』とか、否定語を考えてしまうと、人間はそこに「統一・一貫性」を合わせてしまうから、失敗が次々と繰り返されていくんです。『勝てない』『辛い』と思った瞬間、自分の能力は落ちてしまいます。人間の能力っていうのは、本能に合わせて、物を決めたり考えたりしているから、否定の気持ちに合わせてしまうんですよ。


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