Column

第95回全国高等学校野球選手権記念東東京大会 展望

2013.06.16

[pc]

第95回全国高等学校野球選手権記念東東京大会 展望 | 高校野球ドットコム

[/pc]

注目の東京都を制す二校は?

第95回全国高校野球選手権とう大会の抽選会が15日、青山学院PS講堂にて行われた。今年の東西再編で、東東京は139校、西東京は131校参加する。大会は7月6日に開幕。東東京からスタートし、都立千早対都立大山が開幕戦となった。

激戦の東西東京大会を制す2校はどこになるのか。それではまずは東東京の展望から見ていこう。

帝京・修徳ブロック

第95回全国高等学校野球選手権記念東東京大会 展望 | 高校野球ドットコム

▲石川亮選手(帝京)

 春季大会優勝の帝京は3回戦から登場。昨秋は都立日野に敗れ、その悔しさをバネに力をつけて、投打でパワーアップ。勝ち上がることで力をつけていった。西東京に移動した国士舘を延長の末、8対6で破り、安田学園には終盤追い上げられながらも6対4で辛勝。決勝では猛打を奮っていた日大三に3対2で勝利した。

鍵は正捕手の石川 亮。1年夏に甲子園を経験した後、その後は甲子園の土を踏んでいない。打者としては主軸打者として勝負強さを発揮し、そして捕手としてエース清水 昇の持ち味を引き出した。優勝候補の一角として名が上がるが、関東大会では常総学院に逆転負けしたように、まだチームとして隙を残す。2年ぶりの甲子園へ夏まで盤石なチームを作り上げる。

その帝京の対抗馬になりそうなのが修徳
修徳は機動力と攻撃力の高い選手が揃った好チーム。俊足巧打の核弾頭・飯野 周太、攻守で高いセンスを示す酒井 良樹、勝負強い打撃と正確なスローイングが武器の山下 竜治を中心とした打線はつながった時は手がつけられない。投手陣は絶対的なエースはいないので、継投策で勝ち上がる戦略。帝京の攻撃力を凌ぐには投手陣の底上げと正捕手・山下のインサイドワークが鍵になりそうだ。

 他では石川 敦也鈴木 慶文を中心とした打線の破壊力は都内屈指の正則学園にも注目だ。

[page_break:安田学園・関東一ブロック]

安田学園・東京実ブロック

第95回全国高等学校野球選手権記念東東京大会 展望 | 高校野球ドットコム

▲深見俊介選手(安田学園)

 昨秋に都大会を制し、センバツ出場の安田学園
なんといっても持ち味は内外野の堅い守備と相手の隙をつく巧妙な攻撃。そして4番に勝負強い深見 俊介がポイントゲッターとして活躍し、各選手たちが自分の役割を徹する事ができるチームだ。エース大金 真太郎はスピードこそないが、制球力がまとまった好投手。バッテリーは狙い球を絞らない投球で、最少失点で切り抜け、昨秋のように粘り強く勝ち上がりたい。

 また、東東京に編入した東亜学園も同ブロックにいる。東亜学園昨春の創価戦で勝利投手となった左腕・福山 諭史がエースに。福山の出来が大きなカギとなりそうだ。

 実践学園は、2011年春にベスト8入りしたように、攻守で鍛えられた好チームで、東京実との対戦が実現すれば終盤まで1点を争う好ゲームが予想される。注目は海老澤 タイヤブアリ。昨夏から公式戦を経験しており、今年はエースとしてチームを上位に導きたい。

関東一・岩倉ブロック

第95回全国高等学校野球選手権記念東東京大会 展望 | 高校野球ドットコム

▲中村祐太選手(関東一)

 関東一は投手陣の層の厚さは今年の東京都でもトップクラス。エースの中村 祐太に、醍醐 正平上原 嵩大の3本柱に注目。打力も犠打、機動力を絡めビッグイニングを作る事ができる。

 優勝候補として注目されるチームだが、それを現実的なモノにするにはここ一番でのエース中村の踏ん張りにかかっているのではないだろうか。2011年秋に関東一が東京大会優勝を決めたが、中村は決勝戦で1安打完封勝利を上げた。関東一はもちろん2011年の秋の快投を待ち望んでいるだろう。集大成をかける夏で、最高のパフォーマンスを見せる事ができるか。

 関東一の対抗馬になりそうなのが東海大高輪台
 春季大会では、都立文京に敗れたが、力のあるチームであることは変わりない。主砲のクォーターデービット譲。強肩捕手・川内 翼、マウンド経験豊富な右腕・佐藤 洋叡と能力の高い選手が揃う。対する学習院もブロック予選に敗退したが、フットワークの良い守備、バットコントロールの良い打撃が光るショートストップ・市原 隆一郎は注目選手。ディフェンスで、東海大高輪台に対抗したい。

 昨夏4強の岩倉昨秋に日大三と対戦し、再三に渡る好守備で、7回まで2対1とリード。その後、逆転負けを喫したが、東京都でも守備力の高さは指折りの好チーム。打線も長打力よりもつなぎ重視のチーム。塁に出れば、犠打、犠打。ノーヒットでも点が取れる野球で勝ち上がる。準々決勝では関東一など力のあるチームとの対戦がされるが、そういう相手に1年間の総決算として自分たちの売りである守備力を発揮し、接戦をモノにする力を見せるか注目したい。

 他では技巧派左腕・井原 拓海。左のスラッガー・山村 浩之を擁する日大豊山。無名だが、切れのある速球を投げ込む右の本格派右腕・田邊 傑を擁する都立青山も注目チームだろう。

[page_break:二松学舎大附・都立文京ブロック]

二松学舎大附・都立文京ブロック

第95回全国高等学校野球選手権記念東東京大会 展望 | 高校野球ドットコム

▲大塚駿選手(都立文京)

 このブロックは今年の東東京では最も熾烈なブロックといっていいだろう。都立文京はエース大塚 駿は最速140キロを記録する右の本格派。この春は都立雪谷東海大高輪台を破り、4回戦入りした。エース大塚だけではなく、攻撃力、守備力。内野手、外野手との連係の高さも私学校には劣らない強さを見せている。今年の都立で最も力のある学校として上位進出を狙って行きたい。

 都立文京の対抗馬となりそうなのが都立小山台日体荏原都立小山台はノーシードで登場。エース伊藤 優輔はストレートの球速は135キロ前後だが、多彩な変化球を操る右の技巧派右腕。大崩せず確実に打ち取る技術を持った好右腕。ロースコアでも勝てるのがこのチームの強みで、今年もしぶとく勝ち上がっていきたいところだが、勝ち上がると日体荏原の対戦が予想される。日体荏原は攻撃力の高さが売り。9点取られたら、10点取るほどの破壊力のあるチーム。守りの都立小山台か、打の日体荏原と対照的なチームカラー同士の対決は興味深い。

 そして1回戦屈指の好カードが実現。秋8強の都立高島と東東京に移行した堀越の対決だ。都立高島にはエースの斎藤 武尊を擁し、準備万全。安西 拓人藤塚 卓志の二枚看板を擁する。両チームとも好投手がいるので、1点を争う好ゲームになりそうだ。

 さらに、昨夏選手権出場の成立学園も同ブロックに潜む。成立学園のエース谷岡 竜平は今年の東東京を代表する好投手。また成立学園は夏に強いチームで、09年~11年まで3年連続ベスト4、そして昨夏は甲子園出場。夏にむけて仕上げる成立学園に警戒しているチームも多いはず。今年はノーシードからのスタートだが、優勝を狙うライバルを止める活躍を見せたい。

 二松学舎大附は140キロ左腕・大貫 純は試合ごとに安定感を高め、実戦力の高い左腕に成長した。打線ではスラッガー・秦 匠太朗を中心とした打線は強力で、常に全力疾走を徹底されており、スピーディな攻撃で相手を圧倒する。その二松学舎大附の対抗馬として期待されるのが都立雪谷。エースの鈴木 優は140キロ台のストレートに鋭く落ちるフォークを武器にする右の本格派で、私学の強豪でも打ち崩すのが難しい投手だ。

 東東京の今夏の頂点に立つのはどこのチームだろうか。球児の熱い夏がいよいよ始まる。

(文=河嶋 宗一

第95回東東京大会

第95回東東京大会 
7月6日~7月27日 参加校数:139  組み合わせはこちらから(東京都高野連HPよりダウンロード)
決勝球場:[stadium]神宮球場[/stadium]
その他の球場:[stadium]神宮第二球場[/stadium]、[stadium]都営駒沢球場[/stadium]、[stadium]江戸川区球場[/stadium]、[stadium]大田スタジアム[/stadium]、[stadium]明大球場[/stadium]

昨夏代表:成立学園(第94回東東京大会結果)
昨秋優勝:安田学園 [東](秋季東京都 本大会結果)
選抜出場:安田学園 [東]
今春優勝:帝京 [東](春季東京都 本大会結果) (春季関東大会結果)

【高校野球ドットコム編集部】
第95回全国高等学校野球選手権記念東東京大会 展望 | 高校野球ドットコム ドットコムTwitter
第95回全国高等学校野球選手権記念東東京大会 展望 | 高校野球ドットコム ドットコムfacebook

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.06

【富山】富山商が高岡商を破って春連覇達成<春季県大会>

2024.05.06

【大阪】大阪桐蔭が快勝!準々決勝でプロ注目・今坂幸暉擁する大阪学院大高と対戦!<春季大会>

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.01

【兵庫】報徳学園、須磨翔風などが順当に夏の第1シード獲得!昨秋ベスト4の長田、滝川二はノーシードに

2024.05.01

【福島】聖光学院と福島商が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>