創成館(長崎)「1日1日」を大事にセンバツ初勝利を目指したレギュラー陣の座談会!
4月4日まで行われた第90回選抜で、初のベスト8入りを果たした創成館(長崎)。昨秋は九州大会優勝、明治神宮大会では準決勝で大阪桐蔭(大阪)を破り準優勝の実績を残し、そして選抜でも躍進を果たした創成館ナイン。今回はレギュラー3人に集まってもらい、新チーム当初から、選抜に臨む心境を語ってもらった座談会を振り返りたい。
【座談会参加メンバー】
・峯 圭汰(みね・けいた 新3年主将・中堅手・背番号8・右投右打・171センチ70キロ・筑紫野ドリームズヤングベースボールクラブ<福岡>出身)
・杉原 健介(すぎはら・けんすけ 新3年・遊撃手・背番号6・右投左打・163センチ78キロ・福岡大野城ボーイズ<福岡>出身)
・平松 大輝(ひらまつ・だいき 新3年・捕手・背番号2・右投右打・178センチ74キロ・福岡ベースボールクラブ<軟式・福岡>出身)
「自分たちの戦いができた」秋の公式戦
左から杉原、峯、平松
―― まず新チームスタート時の話から。創成館としては、どういうスローガンを立ててスタートしたのですか?
峯 圭汰主将(以下、峯): 目標は「明治神宮大会出場」。投手も安定していたので、非常に良い状態で県大会に臨むことができました。
―― 打撃自体は振り返ると、いかがでしたか?
峯: 普段の練習からいつも機動力を使った練習をしていて、試合でも練習通りにいけていた(自身5盗塁)のはよかったかなと思っています。
杉原 健介(以下、杉原): 僕はヒットこそ出ていた(19安打)んですけど、長打は二塁打4本だけ。そこは課題だったと思っています
―― 平松選手は正捕手として、どのような心掛けで試合をリードしていきましたか?
平松 大輝(以下、平松): 創成館には多種多様な投手がいるので、それぞれの個性をつかんだリードするように心がけました。
まず、川原 陸(新3年)はストレートが本当に良い左投手なので、ストレートを軸に変化球でかわすことを意識してリード。伊藤 大和(新3年)は右上からでも右横からでも投げられる。その判断は基本的には僕に任させているので、場面に応じて使い分けています。
ただ、伊藤が「上で投げたい、横で投げたい」という主張する時はそこを尊重しますし、意思疎通するようにはしています。
そして、左腕の七俵 陸(新3年)。彼もストレートがいい投手なので、高めやアウトコースを中心によいコースに投げられる工夫はしていました。他の投手についてはその日の調子によってリードを使い分けました。
―― 結果、長崎県大会優勝で九州大会へ。勝てばセンバツ出場に大きく近づく準々決勝・沖縄尚学(沖縄)戦では、最速145キロ左腕の・知念 大成(新3年)投手から8点を奪いました。ここはどのような対策をして、攻略したのですか?
峯: 知念投手は球速が速いと聞いていたので、練習から速いボールをイメージして打撃練習を行って、試合に入りました。想定していた分、しっかりと対応ができたと思います。
―― 九州大会をはじめて制し、初出場を果たした明治神宮大会でも大阪桐蔭を準決勝で破って準優勝。ここでの収穫は?
峯: 多くの強豪校たちと試合ができたことで、自分たちにはない野球・行動を学ぶことができた。いい大会でした。
―― 逆に明治神宮大会を通じ得た課題とは?
峯: 他の学校と比較すると、僕たちは体が大きくなかったですし、筋力的な部分が足りないと痛感しました。加えて、まだレベルが高い投手にも対応しきれなかったところがあったので、冬場には技術力アップに努めました。
[page_break:明治神宮大会経験が「冬の奮起」につながる]明治神宮大会経験が「冬の奮起」につながる
創成館野球部
―― 体力面の課題克服の第一ミッションは「増量」になったのですか?
峯: 僕はそうです。神宮大会の時にずっと減っていたので、大会後から10キロの増量を目指しました。今では7~8キロの増量に成功しています。やっぱり打球は飛ぶようになりましたし、安定したスイングができています。
杉原: 僕は増量より「筋力を高める」を目標にしました。冬場に目標設定したのはスクワットは165キロで、ベンチプレスは115キロを持ち上げる。2月末の時点でスクワットは160キロ、ベンチプレスは112キロまで持ち上げることができるようになった分、力強い打撃がスイングができて、打球も飛ぶようになったと思います。
平松: 僕も筋力アップに取り組みました。スクワットは165キロ、ベンチプレスは90キロを持ち上げることを目標にしていて、スクワットは達成することができるようになりました。打撃も守備も安定したパフォーマンスを実現していく部分では今のところうまくいっています。
―― 創成館は年明けの1月13日から早くも紅白戦をスタートさせましたが、そこに備えて年末のオフも自主トレーニングはしていたのでしょうか?
峯: 僕は筑紫野ドリームズヤングベースボールクラブに戻って練習をしていました。甲子園でプレーを考えると、練習も昨年とは全く違う意識でやっていました。
杉原: 僕もセンバツを見据えて、去年とは違う感覚で過ごしています。1日1日の練習に重みを感じながら過ごしていました。
平松: 自分も年末年始は毎日素振りをしたり、走ったりしていました。甲子園で勝つことを目標にやっていかないと、強豪校に勝てない。1日1日の過ごし方や時間の使い方に対する意識が去年と全然違います。
まずセンバツ「1勝」、その先にある「優勝」を
―― 1月26日、センバツ出場が決まりました。改めてあの時の心境を聞かせてください。
峯: ほぼ当確といわれていたんですけど、甲子園でプレーすることを目標にしていたので、ほっとしました。
杉原: 甲子園でプレーできるワクワク感が生まれてきました。
平松: 自分も甲子園でプレーしたかったですし「親にやっと恩返しができる」と思いました。
―― では、最後にセンバツでに向けてどんな意気込みだったのか聞かせてください。
杉原: 創成館はセンバツで1勝もしていないので、まず1勝を目指し目の前の戦いに集中。その目標をクリアして、最後には優勝したいと考えていました。
平松: 今年のチームは守備からリズムを作るチームだと思っていますので、そのリズムをつくるのが僕たちバッテリーの仕事。一戦一戦を大事に戦った上で、優勝が見えてくればと思っていました。
峯: 自分は主将をやらせてもらっているので、試合中もしっかりと状況を見ながらチームを引っ張っていきたいとおもいます。同時に3番打者なので、自分の打撃で勝利に導き、自分の持ち味を生かしながらプレーしていきたいと考えていました。
―― 今回は様々なお話、ありがとうございました。
3人:ありがとうございました!
(文=河嶋 宗一)