Column

「選手の見えないところでも野球に集中できる環境を作るのが私たち」 阪南大学高等学校

2016.07.17


 阪南大高は1939年に大鉄工学校として開校し、その47年後の1986年に阪南大学高等学校として改称され、現在に至ります。阪南大学と様々な連携を行い、高校一校ではなし得ない深さや広がりを持っている事が特徴です。

 阪南大高の前身である大鉄の野球部は、選抜5回、選手権には2回出場。そして1977年は、出場を果たしています。現在の阪南大高野球部は2015年秋季大会大阪府予選にて、3位の結果を残し、近畿大会に駒を進めました。そしてその近畿大会初戦の試合では5回までに9点を挙げ勝利を収める活躍!準々決勝では負けてしまったものの、近畿ベスト8の成績を残しました。

 しかし冬を終えての春季大会では、初戦敗退。新チームになり、勝ち上がることと、なかなか結果がでないことの両方を経験してきたこの1年。そんな130人の選手と共に、大会に臨む阪南大高野球部のマネージャーの方に、理想のマネージャー像などについて伺いまいした。

ベースで見せる笑顔とガッツポーズに思わず胸キュン

勘田あゆ美さん(阪南大学高等学校)

 130人の阪南大高の選手を支えるのは、5人のマネージャーの方々。3年生の勘田 あゆ美さん、仲程 沙希さん、2年生の中谷 優生那さん、1年生の芝池 叶歩さん、矢倉 姫夏さん。

 普段の活動では、給水、スコアラー、データまとめ、買いだしなどを行っています。その他に、変わった活動などはありますか?と聞いてみたところ、「アナウンスです」と答えてくれました。以前、大阪で行っているのは珍しいと言われたそうです。

 そんな、日々選手を支えている阪南大高のマネージャーが他の高校のマネージャーに負けない!と思っていることは、、、?
「グラウンドにいる時間です!」
暑い日も寒い日も、どんな時でも野球に打ち込む選手たちと一緒に、選手たちが頑張るグラウンドでマネージャー活動に取り組んでいます。

手前から勘田あゆ美さん、仲程沙希さん(阪南大学高等学校)

 また、グラウンドにいる時間が長いという中で1番楽しい時は、一緒にプレーをしているような気持になる「スコアを書いている時」のようです。そして、選手が野球に集中出来るように、野球以外の事は、できるだけやろうと心がけ、選手をサポートしています。

 そんな阪南大高のマネージャー方が感じるマネージャーあるあるを教えてもらいました。
「異性に対し、恋愛感情ではない母親のような“だいすき”という感情を知ったことです!」
毎日、近くでひたむきにボールを追いかける姿を見てきたことで、応援する気持ちが強くなって生まれた、マネージャーあるあるですね。

 そんな阪南大高のマネージャーの方ですが、得点打を放った後にベースで見せる笑顔とガッツポーズの仕草には、思わず胸キュンするようです。

 そして、阪南大高のマネージャーの方に、特に思い出に残っている試合を尋ねたところ、秋季大会3位決定戦履正社戦を挙げてくれました。勝てばこのチームでは初の近畿大会出場、そして負けたらそこで秋が終了という一戦。0対0で迎えた8回裏。阪南大高ナインが、1点を挙げそしてそのまま9回を抑え勝ち抜いた試合が、今でも忘れられない思い出の1試合のようです。2アウトランナー二塁の場面で、レフト前ヒットを打ち、ギリギリでホームに帰ってきて、点に繋がった瞬間は、特に印象的だったようです。

 目前に迫る夏に挑む阪南大高野球部の選手達に、マネージャーの方からメッセージをいただきました。
「悔いの残らないように1日1日、大切にしてください!」

⇒次のページ:もしマネージャーになっていなかったら、○○な人間になっていた

[page_break:もしマネージャーになっていなかったら、○○な人間になっていた]

もしマネージャーになっていなかったら、○○な人間になっていた

 そして、ここからは3年生の勘田 あゆ美さん、仲程 沙希さんに更にお話を伺いました!

 「1年先のことを指示されて、1年後ちゃんと覚えていたこと」がマネージャー活動でのちょっとした自慢だと語ってくれた勘田さんと仲程さん。マネージャーになったきっかけは、小学生の頃から野球を見るのが大好きで直接関わたいと思っていたから。

 そして昔からの夢だったマネージャーに、もしなっていなかったら、「何事にも中途半端な人間になっていたかもしれない」と今のマネージャー活動に対し、しっかり責任をもって日々活動に励んでいる事が伺えます。

仲程沙希さん(左)、勘田あゆ美さん(右)(阪南大学高等学校)

 夢のマネージャーになることで、「目上の方と話すことが増えたので、言葉遣いやコミュニケーション力などを学ぶことができ、社会に出たときに役立つことを学べました。また、積極的になることが出来ました」と、マネージャー活動の中で様々なことを学び、身に付けることができたようです。

 そんな彼女たちが目指すマネージャー像とはどんなものなのでしょうか?
「それは、選手が野球に集中できるように、目立たず、でもしっかりサポートできるマネージャーになりたいです!」

 最後に、130人が所属する阪南大高野球部の選手達に、チームにとって5名のマネージャーの方はどんな存在かをきてみました!
「部員数の多いこのチームで、目に見えるところでも、見えないところでも、チームの為に動いてくれて、大切な存在です!」

 見えないところでも、選手が野球に集中できる環境を作ることを目指す3年生マネージャーを筆頭に、選手が汗を流す同じグラウンドにて、日々活動する阪南大高の5名のマネージャーの方々。そして、そんなマネージャーに対し、しっかり目を向けていた選手たち。5名のマネージャーが130人の選手のために積極的になんでも取り組み、そして130名の選手がそんな5名のマネージャーをしっかり見ていることが伺えた今回のお話。135人で挑む最後の夏。今まで135人が練習に励んだ場所で得た成果を思う存分、発揮してください!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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