早川 隆久選手 (木更津総合)

早川 隆久

球歴:木更津総合

都道府県:千葉

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:178.0 cm

体重:68.0 kg

学年:卒業

寸評

 1年秋に防御率0.00と驚異的な防御率を記録。2年春の選抜出場、さらに関東大会優勝と千葉県で最も勢いある木更津総合をけん引するのがエース・早川隆久である。高校生のトップになる投手といえば、速球で圧倒する投手が殆ど。早川の場合、打ち難さで勝負する投手だ。抜群の安定感を誇る早川だが、全国ナンバーワン左腕を目指すとなると、まだ足りないと感じることがあった。 (投球内容)  直球は以前にも述べたように、最速140キロを計測するようになったが、常にマックスを計測するのではなく、130キロ前半と球速を落として、要所で140キロを投げる。球速以上にキレがあり、ここぞという場面のストレートはなかなか打ち返せないものがある。  しかし抜群の制球力がある投手ではなく、結構、ストレートが高めに浮きやすく、ベルト付近に浮くボールが打たれやすい。大阪桐蔭戦ではそれが出た試合であった。やはり好投手は、アウトコース、インコースでも低めにズバッと投げ込んで思わず手が出ないようなストレートが投げられる投手であること。早川が目指すべきストレートはそこだろう。2年夏から筋力トレーニングを始めているように、球速アップを目指しているが、まだ全国舞台で発揮できていない感じである。  春では地を這うように伸びていくストレートが今よりも多くなっていければ、さらに打たれにくい投手になっていくだろう。  変化球はスライダー、カーブ、ツーシーム、チェンジアップと球種自体は多くなった。有効的なのがスライダー。手元で横滑りをしてて、空振りが奪える球種。まだ秋から投げ始めたツーシームが思うようにコントロールができていない。これをセンバツまでにしっかりとマスターができるようにしていきたい。  投球を見るとまだ高めへ浮くこともあり、甘さがあるのだが、それでランナーを出してからの粘り強さが素晴らしく、一気に力のあるボールがいったり、厳しいところへ投げていったり、打者が勢い付いたところでマックスの力で封じに行ったりと、心憎い投球ができる。それができるからこそ、関東の打者はなかなか攻略ができないのかもしれない。このマウンド度胸の強さは素晴らしいが、甘いところへ行くボールが少なくなれば、もっと打たれ難い投手になっていくはずだ。 (投球フォーム)  セットポジションから始動する。右足を胸元の近くまで上げていきながら、左足は一本足で立つ。その後、右足は一塁方向へ伸ばしていきながら、着地をするが、沈み込みが小さく、ヒップファーストで移動する投手ではなく、どちらかというと、前足も突っ張り気味で、着地のタイミングもやや早く、粘りを欠いてたまに突っ込んだフォームになるのが懸念材料。  この投手が良いのは開きを抑えながら、捻りを生み出してから鋭く腕を振る形ができていること。右腕のグラブを斜めに伸ばしていきながら、トップに入ったときに左腕の肘がしっかりと高く上がっており、さらに胸を大きく張った状態でトップに入ることができている。これにより肩甲骨を柔軟に使うことができるようになり、捻りの作用をうまく使うことができているため、自然に腕を鋭く振れる状態ができている。さらに開きも抑えられているため、打者からすれば打ち難い感覚で投げることができてきているのだ。あとは踏み出し脚の使い方で、もう少し時間を稼ぐことができて、よりタメが効いたフォームになると、より縦の変化を使うことができたフォームになり、打ち難さはより増してくるだろう。杉内俊哉に似た体の使い方ができているので、杉内の良い時の前足の使い方を習得できるとさらにストレートのスピードは上がっていきそうだ。
更新日時:2016.01.11

将来の可能性

 甲子園に導いた木更津総合のエース左腕となると、2008年のエース・田中優の名前が挙がるが、その田中と比べても潜在能力は凌ぐものがあり、十分にプロを目指せる能力を持った投手だろう。体型的に、杉内俊哉と似ていて、メカニズム的に脱力型の杉内のフォームを追求していっても良い投手だろう。  選抜出場が実現すれば、それなりの投球は期待できるが、やはり頂点を目指すとなれば、まだまだ配球面、制球力の面で甘さを残すことを大阪桐蔭戦で実感したと思う。  ぜひ選抜では全国レベルの強打のチームも手が出ない全国でも攻略困難な左腕へ成長を遂げていくか、注目をしていきたい。
更新日時:2016.01.11

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