平沢 大河選手 (仙台育英)
短評
観戦レポートより抜粋(2014年11月17日) 強打の仙台育英の中で、来年のドラフト候補としてピックアップしたいのが3番ショートの平沢 大河だ。九州学院戦では1回表、二死から先制のきっかけとなる右前安打、さらには5回表には右中間を破る三塁打を放った。 176センチ71キロと体格的に際立つ選手ではないのだが、非常に強い打球を打ち返すことが出来るのが強み。打撃の動作を細かく振り返っていきたい。 オープンスタンスでバランス良く構える姿には力みがなく、さらに投手を見据えることが出来た良い構えである。平沢は打撃時に引きつけて打つことを意識している。始動の仕掛けを見ると若干遅い。何より良いのはボールが来るまで頭が突っ込まずにしっかりとボールを見据えることができていること。スイング軌道は縦の軌道を描きながら、踏み込んだ足が開かずに振り抜くことが出来ている。常に安定した形で振り抜くことができているので、強い打球が多い。さらに打球に角度が付けば、本塁打を量産できるタイプだろう。 そして俊足でもある。5回表の三塁打のタイムが11秒07。基準が12秒29であるということを考えるとかなり速い。 守備もフットワークが軽快で、守備範囲の広さを感じさせ、飛び込んで捕りにいきながらもすぐに態勢を直して、強い送球が出来る体の強さもある。走攻守のスキルの高さはこの時期の遊撃手として高いレベルに達しているだろう。 ただすべてが完璧であるかというとそうでもなく、まだ守備では打球に入るときにバウンドに合わせることが出来ず、ファンブルしてしまったり、送球も乱れたりとする。もう少し丁寧にプレーしたり、守備の技術についていろいろ追求をしても良いだろう。 そして気になったのが、凡打の時になると、緩めてしまうことだ。先ほどものべたように、三塁打のタイムが11秒07と驚異的なタイムを計測する選手である。今の走塁姿勢は自分の可能性を狭めることではないだろうか。高校生にとって俊足の選手は相当なプレッシャーを与えるものだ。平沢がどの打席でも全力疾走で駆け抜ける姿勢があれば、内野手守備陣はもっと慌てるはず。そういった相手が嫌がられるようなことを考え、走塁が出来るようになると、もっと走塁で魅せることができるだろう。 決勝戦は本塁打を放ち、今大会で一番評価を高めた選手でしょう。彼の走攻守のスキルの高さには、寸評で詳しく触れていきますので、お楽しみに!!
更新日時:2014.11.21
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