三好 匠選手 (九州国際大付)

三好 匠

球歴:九州国際大付

都道府県:福岡

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:173.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

 一年夏から甲子園に出場してきた 三好 匠 の最終章。 選抜からこのまでに、何処まで投手としての資質を伸ばしてきたのだろう。今回は、投手として、その成長を考察してみたい。 (投球内容)  投球のベースは選抜の時と殆ど変わっていませんが、球速は常時140キロ台~MAX147キロを記録するまでになり、着実に球威・球速を増してきました。まして手元までの伸びも素晴らしく、すでにその成長は止まっているのではないかと思うほどの完成度の中にも、確かな成長を覗かせます。特にストレートは、春までは手元でピュッと切れる感じの球質だったものが、夏にはグ~ンと伸びがある球質に変わり球威が加わったのが大きな成長。変化球は、カーブ・スライダー・シンカーなど、その持ち球に大きな変化はないものの、両サイドにボールを投げ別けて来ます。時には内角を厳しく攻める姿勢も変わらず、元々のベースを維持しながら、パワーアップに成功しました。  フィールディング・牽制などの動作にはセンスを感じさせますが、クィックは1.3秒前後と素早くはありません。それでもピンチになれば、パッとマウンドを外したりして、相手とのタイミングが合わないように、イヤな間から逃れる術を知っています。そういった危険回避能力やマウンドセンスは際だち、極めて高い野球センスは健在でした。そしてこの夏一番感じたのは、彼のプレーへの執念。この思い入れの強さを、誰よりも感じられます。それまでクールなイメージがあったのですが、むしろとても熱い男だったのです。 (投球フォーム)  しっかりワインドアップで振りかぶり、ゆっくり足を引き上げてくる、「間」を重視した先発タイプ。 <広がる可能性>  引き上げた足を、ピンと高い位置で伸ばせており、お尻は一塁側に落とせます。そのため見分けの難しいカーブを効かしたり、フォークのような縦の変化球も投げられる下地があります。ただ小柄で手が小さい可能性があり、指で挟むフォークのような球種の修得は苦しいかもしれません。彼の場合変わりにシンカーと言う球種で、その代用ができています。また「着地」までは、前に足を逃がすことでソコソコ粘りはあります。絶対的な変化球のキレを身につけられるかは別ですが、どんな球種でも操れるだけの土台はフォームにあります。将来的にも、多彩な球種で相手を翻弄できるかもしれません。 <ボールの支配>  グラブは、最後まで体の近くにあります。そのため両サイドの投げ別けも、しっかりできています。ただ足の甲の押しつける時間が短いので、ボールが上吊りやすい傾向が見られます。それでも「球持ち」もよく、ボールに指先まで力を伝え、上手くコントロールできています。このボールの支配は、これからも彼の投球を支えて行くことでしょう。 <故障へのリスク>  腕の角度にも無理はありませんし、大きな負担がかかっているようには見えません。それ故に球数を多く投げても無理がなく、長いイニング高いレベルで投球を維持できるのだと思います。将来的にも怪我の可能性は低く、順調に実績を重ねて行けるのではないのでしょうか。 <実戦的な術> 「着地」までの、前への足の逃がし方は悪くありません。ただ体の「開き」は、やや早くボールは見やすいように思えます。彼の投球フォームが、あまり苦にならず素直に見えるのは、そのせいかもしれません。腕は体に巻き付き、変化球との見分けはつきにくいはず。「体重移動」も悪くないのですが、グッと前に乗せてと言うタイプではなく、むしろ投げ終わったあとまでバランスを重視しているように思えます。 (投球フォームのまとめ) 「着地」「体重移動」は平均的ですが、「開き」にやや課題を感じます。ただその分「球持ち」はよく、ボールを上手くコントロールできているのではないのでしょうか。バランスに優れ、力みのない無理のないフォームを実現できています。
更新日時:2011.08.18

将来の可能性

 元々「打つ方が好き」と公言するぐらい、打撃への執着のある選手です。そのため春までは、何か仕方なく投げているといった印象がありましたが、この夏はプライドに賭けてマウンドを死守するんだと言う気迫が感じられるようになりました。その気構えは、春から着実に球威・球速を増してきた取り組みからも伺えます。すなわち与えられた役目は、自らの責任を持って全うする強い意志があると言えるでしょう。  投手としての伸びしろは、正直あまりもう感じられません。大学レベルならば、その野球センスを活かし早くから活躍できてしまうかもしれない。しかしここから先を目指すならば、やはり愛着のある打撃の方だと思います。その高い野球センスを活かし、二遊間あたりを担えるようになると、卒業する頃にはプロからもお声がかかるような選手になっているかもしれません。それだけ非凡な打撃センスもあれば、ボールに対する貪欲さも並々ならぬものがあります。投手としての才能も捨てがたいですが、この選手は野手として将来は頑張って頂きたい選手でした。
更新日時:2011.08.18

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です