吉永 健太朗選手 (日大三)

吉永 健太朗

球歴:日大三

都道府県:東京

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:182.0 cm

体重:77.0 kg

学年:卒業

寸評

「期待から確信へ!!」 日大三のエース吉永健太朗選抜準決勝戦(2010年04月01日)で公式戦初のマウンドを踏んだ。長身から振り下ろす勢いのある直球、大きく落ちるチェンジアップに目が留まった。フォームも綺麗で、当時エースであった山崎 福也より将来性は上だと評価してきた。 今年の都大会準決勝(2010年10月23日)でマックス147キロを計測。順調にその高い素質を伸ばしていた。この時点で来年のドラフト候補に成り得る投手になるだろうと期待はしていたが、確信と思わせるには一つの課題をクリアしてほしいことがあった。それは都大会で優勝することだ。選抜の関東・東京枠は6だが、東京は基本的に優勝しなければ選抜に出場することはできない。シビアな状況で、エースとしてチームを引っ張ることができるか。そこに注目していた。しかし彼は私の期待以上の結果を見せてくれた。準決勝を除いた4試合はすべて先発完投し、優勝神宮大会ではすべての試合を完投し、優勝した。この優勝によって吉永は来年のドラフト候補に成り得る投手であることを確信した。吉永健太朗の投球を振り返っていきたい。 (投球スタイル) ストレート マックス147キロ 常時130キロ後半~145キロ スライダー 125キロ前後 縦のスライダー 120キロ前後 チェンジアップ 125キロ前後 カーブ 115キロ前後 ストレートはコンスタントに140キロ前後を計測。指に掛かったときのストレートは素晴らしく、145,6キロ前後のストレートは素晴らしい伸びを見せている。ただ西東京大会準決勝(2010年07月24日)で見せたストレートと比べると若干勢いは落ちている。140キロ中盤で投げる勢いあるストレートをその試合ではコンスタントに投げ続けることができていた。キャパ全快で投げる投球スタイルを先発で続ければ、絶対にガタにくる。吉永は爆発力よりも安定性を選択した。普段は140キロ前後で、要所で145キロ級のストレートを投げて打ち取る。つまり強弱をつける投球に切り替えていった。 決め球はなんといってもシンカー気味に落ちるチェンジアップ。1年秋に習得した変化球だが、その落差が尋常ではない。この球種を投げた時、高確率で空振りを奪うことができている。今まではそのチェンジアップを頼ってきた印象はあったが、スライダー、カーブ、縦のスライダーを使い分けるようになり、格段に投球の幅が広まってきている。 (打者への攻め) ・右打者 ストレートは両サイドに投げ分け、スライダーを外角に投げ分ける配球。この投手、打者のレベルによって球種を増やしていく傾向があり、浦和学院戦(2010年11月16日)ではフォークで空振り三振を狙いにいっている。 ・左打者 外角中心にストレートを中心に投げ込んで行き、縦のスライダー、スライダーを散らせて打たせて取っていく。 夏はリリーフということもあってストレート中心の投球であったが、エースになったことで変化球を有効的に使い分けができるようになった。本人は都大会で3連続完投する中で、少しずつ投球を覚えてきたと話す。スピードだけではなく、投球の質を高めようと努力を図っている。 (投球フォーム) 182センチ77キロという理想的なボディバランス。腰周り、下半身はがっしりしており、尚且つ肘の柔らかさを持った投手。まさに強さと柔らかさを兼備した素晴らしい投手だ。 ワインドアップから入る。左足をセンター方向に回しこむように上げて、軸足でしっかりと立つことができている。このバランスが素晴らしく、足から頭上まで一本の線につながっているように見える。軸の安定さが彼最大の長所である。左足を二塁方向に送り込む。軸足に体重をかけて、左足の膝の関節を曲げて着地のタイミングを遅らしているように見える。左腕のグラブを斜めに伸ばして開きを抑えることができている。コンパクトにテークバックを取っていき、トップに入った後はしっかりと肘を高く上げることができる。そしてリリースに入る。球持ちに関してはまだ球離れが早いときがあり、リリースポイントをさらに安定させてほしい。腕の振りは抜群で、この腕の振りによって140キロ台のストレートを生み出すことができているのだろう。腕の振りを支えているのは軸がしっかりしているから。しっかりと足を上げて、しっかりと体重移動を図り、しっかりと腕を振る。まさに右の本格派右腕らしい投球フォームだ。
更新日時:2010.12.24

将来の可能性

投球の完成度・体格・ストレートのスピードは超高校級。間違いなく2011年度の高校生を代表する投手だ。個人的には今村猛、一二三 慎太など高校球界を代表する投手と肩を並べる存在になってきている。何故ならばシビアな東京都大会をほぼ一人で投げぬき、そして神宮大会も一人で投げ抜いてきたからだ。 致命傷な故障をしない限り、本人がプロに行きたいという志望があれば、間違いなくプロから指名を受ける投手だろう。神宮大会の優勝によって今まで以上に注目を浴びるだろうし、連投によって肩肘の疲労も溜まっているはず。まずはしっかりと肩肘の疲労を抜いてから、鍛え込んでほしい。彼にはプロに入るのではなく、プロで活躍するにはどうすればいいかを考えて取り組んでほしい。
更新日時:2010.12.24

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