横尾 俊建選手 (日大三)

横尾 俊建

球歴:日大三

都道府県:東京

ポジション:三塁手

投打:右 / 右

身長:176.0 cm

体重:82.0 kg

学年:卒業

寸評

日大三の4番・横尾 俊健。2010年の選抜で大当たりを見せたのは記憶に新しい。苦手なコースはないと言いのけた通り、両サイドを器用に右中間、左中間に飛ばしていった。半年後、攻守に実力を磨いていき、神宮大会決勝戦(2010年11月18日)ではレフトスタンド中段へ持っていくホームラン。守備では1年よりも格段に向上し、進歩が見られた。日大三の選手は大学経由する選手は少ないのだが、この選手に関してはあえて高卒プロを貪欲に狙って欲しいと思っている。横尾 俊健のプレーを振り返っていきたい。 (打撃) この選手の良さはどんな球でも思い切りよく振れるのが彼の良さ。スイングスピードは神宮大会の中ではNO.1。捉えた時の打球は強打者が揃う日大三の中でもピカイチだ。 スクエアスタンスで、グリップを耳の高さに置く。ヘッドを倒して、回して構えている。アクションが大きく、硬さを感じる構え。投手が足を降ろしたところから始動を仕掛けていき、足を高く上げて真っ直ぐ踏み出す。トップの動きを見ていくと深く引いていく。グリップが頭の後ろに移動するので、インコースに詰まらされやすい欠点がある。高い位置から振り下ろし、掬い上げるようなスイングを見せる。素晴らしいのは前さばきの良さとフォロースルーの大きさ。フルスイングをしているが、ポイントが近くにならず、体の前でスイングをすることができている。フォロースルーをみると腕の位置が高く、力の抜け方が良く、蓄えているエネルギーをうまく放出している。 調子が良い時はすべてのコースを打ち返す上手さを持っている。2010年選抜ではまさにそれが嵌った大会であった。緩く入ったカーブを開いて打つことなく、しっかりとひきつけて右中間に持っていくことができていたし、インコースも肘を畳んで左中間に飛ばしていた。選球眼も冴えて際どい球をしっかりと見ている。神宮大会では普通の高校生では捌くのは難しいアウトローのチェンジアップを器用にライト前に打ち返し、外角に入るスライダーを中段に持っていった。外角のスライダーを巻き込んでレフトスタンド中段に持って行く高校生はなかなかいない。調子が良い時の彼は本当に手が付けられないのだ。 しかし調子が悪いときはとことん悪い。体が開くし、引っ掛けてサードゴロ、あるいは打ち上げて内野フライに終わることが殆ど。良い時と悪い時の差が激しすぎるのが玉に瑕だ。 (守備) この選手が選抜から一番成長したのは守備だと思う。当時から動きは良く、強肩なサードだが、腰高で不安定さを持った選手であった。しかし選抜から格段に守備が向上し、危なっかしさが少しずつ消えている。元々、フットワークは良いので、ライン際にも、三遊間にも対応ができているし、持ち替えも速いので、捕って投げるスピードが速い。彼は普通の内野手に見られるような腰を落とす選手ではない。重心は下げているが、他の選手に比べたら重心が高い。だが、彼にとってはそれが良いリズムで処理できているのだ。
更新日時:2010.12.22

将来の可能性

この選手の良さはなんと言ってもフルスイングができる点に尽きるだろう。今の高校生でこれほど振れる高校生はいない。それは大きな武器だ。もう一つ彼の打撃・守備を支えているのは反射神経の良さだ。高校生では捉えることが難しいアウトコースの変化球を長打にしたり、ライン際に抜けそうな打球を処理してアウトにしているのだ。この選手は人一倍、感覚を大事にしている選手のように感じる。 感覚を大事にしているバッターなため、大学で開花できるタイプかと問われると予測が付かない。個人的には高卒プロに拘ってほしいと思う。何故ならばずば抜けたヘッドスピードがあるから。あれほど強いスイングができる選手はプロの素材だ。ぜひ来年の選抜では今年よりもインパクトのある活躍を見せつけてもらいたい。
更新日時:2010.12.22

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