横尾 俊建選手 (日大三)
寸評
秋の神宮大会で、これでもかとバットを振れることを証明した横尾 俊建。その一方で、荒削りな打撃をいかに改善できるのかが、この冬の最大のテーマだった。一冬越えて、高校球界屈指の強打者候補が、どのように進化したのか考えてみた。 (秋からの変化) 秋の神宮大会でも、結果を残してやろうとバットを思いっきり振って、大きなスイングをしていた。それはそれで下級生の頃ならば、これだけバットが振れる選手はいないと褒められるが、これが最上級生になれば状況に合わせた打撃ができるのか?と言う観点で見ることになる。元々この選手は、右方向に打球もしっかり打てていた選手だったのだが、秋は引っ張り専門に。そのプレースタイルに変化が見られたか気になっていたが、この選抜を見る限り右方向への意識は薄かった。技術的に分析してみても、秋とほとんど変わらず。課題を克服して行こうという意識で、この冬取り組んできたわけではないようだ。 また思いっきりよく最後まで振ることはできていたものの、アウトだと思ってしまうと走るのを諦めてしまったりとプレーの決めつけが早い。この傾向は秋も見られたのだが、そういった貪欲さも春になっても変わっていなかった。心技体すべてにおいて、秋からの大きな変化を感じさせてくれなかったことは、選抜で期待に答えられない結果よりも、私を落胆させた。 (守備・走塁面) この選手は、三塁手に最も必要な打球への反応や一歩目は悪くありません。しかしながら、ボール取りにゆくまでの足の運びやフットワークがドタドタしていて、何か動きが危なっかしいのです。更にスローイングも上から叩きつけるように投げるので、強肩ではあるのですが送球が不安定。とても内野手のスローイングには見えません。打球への反応や強肩と言う三塁手としての適性も感じさせる一方で、足の運びの悪さやスローイングの形から、三塁よりも違うポジションの方が、この能力を活かせるのではないかと言う気もしなくはありませんでした。 身体つきが立派になるにしたがって、走力は遅くなっている気が致します。足が遅いのは致し方ないのですが、最後までセーフになるんだと言う意識を持って、諦めないでプレーして頂きたい。その諦めの早さを見ると、野球への意欲やカベにぶつかったときの対処などに、不安を感じずにはいられません。遅ければ遅いなりの走塁の仕方と言うものがあります。そういった意識が持てるのか、夏まで見守ってみたいと思います。
更新日時:2011.04.12
将来の可能性
元々非常に期待していた選手だけに、この選抜での内容には落胆させられた。好いところを見てもらいたいと思うのならば、まず自分の欠点をしっかり見つめ直すこと。そこを改善して行かなければ、ライバル達は常に進化を重ねているのだから、結果を残せるはずがない。 では何処を改善して行けば好いのか? 1,足元がブレないバランスの好いスイング身につけること。 2,体の開きが早くならないように、バットを上からミートポイントまで振り下ろす意識を持つこと。 3,センターから右方向への意識も忘れないこと。 4,何より自分は長距離打者なのではなく、中距離打者だと認識すること。 ヒットの延長線上にホームランがある、けして狙って打てるタイプではないと言うことを、本当の意味で認識しないと、この粗い打撃は解消できない。 そして何より、もっと一つ一つのプレーに貪欲になれ!このことがわからないうちは、全国の舞台で活躍ことは厳しい。しかし彼には、まだ残された時間がある!
更新日時:2011.04.12
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