近田 拓矢選手 (大阪桐蔭)
寸評
今年のドラフトで右の強打者候補として期待したいのが近田 拓矢。初めて見た時、雰囲気は中田 翔を思い出させたが、荒削りさも似ている。強靭な腕力を生かした打撃から本塁打を量産し、2度目の大舞台ではアーチを描くことができるのか。 (打撃) ステップを広く取って、グリップを高く掲げて構える姿は中田翔を彷彿とさせる構えをしている。腕力の強さに頼った打者だと思っていたが、昨年12月に行われた大阪学院大とのOP戦ではフェンス直撃の二塁打、右中間を破る二塁打を放ち、フリー打撃でも柵越えを連発するなど、木製バットに切り替えても、長打が打てている。 夏と冬と比べていくと、スタンスはオープンスタンス。無駄な動きを省くためか、グリップは頭の後ろの位置に置いて歩幅を狭めている。ただ窮屈さを感じる構えで、力みを感じる構えだ。大阪学院大戦では力みを感じず、ゆったりとした構えとなり、よくなっている。 投手の足が着地したところから始動を仕掛けていき、ほぼノンステップで、踏み込んだ足は真っ直ぐ踏み出している。夏ではとにかく振ろう、長打を打つという意思が丸見えで、膝が開いた状態で、振っていた。夏の打撃を見ると外のスライダーを振らせる配球をしていけばいいと思っていたが、秋~冬にかけて膝の開きを抑えている。それにより今までは膝が開いた状態で打っていたことで、ボールを巻き込んで打ち込んでいたが、今は開きを抑え、正面でボールを捉えることができるようになったことで、広角にボールを打ち返すことができるようになっている。 バットの軌道を見ると右脇を閉めて、遠回りせずにボールを捉えることができている。遠回りしていた夏と比べると進歩が見られる。グリップがやや入りすぎているので、インコースは窮屈になるので、インコースの対応を選抜まで磨いて行きたい。フォロスルーでは大きく取って振りぬいていき、伸びやかに打つことができている。 (守備・走塁) 一塁の守備を見るとそつなく捌いている印象。三塁を守れる融通性もあればいいが、一塁も野球においては非常に重要なポジションなので、他の内野手の難しい送球も全て処理し、ファインプレーを演出させるぞというぐらいの気持ちで、ワンバウンドの処理技術、ポジショニングを磨いて行きたい。 塁間タイムは4.5秒前後で、左打者に換算すると4.20秒前後で脚力は思った以上に悪くない。
更新日時:2013.02.09
将来の可能性
とにかくがむしゃらに振る夏に比べると、打者としての幅が広がり、かといって打撃は小さくならずに伸びやかにフルスイングができている。貴重の右の長距離候補として注目される一人であることは間違いないだろう。今年の選抜では右の長距離打者として存在感を示すパフォーマンスを見せてほしい。
更新日時:2013.02.09
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