試合レポート

日本学園vs東亜学園

2019.10.27

夏から強化してきた守備力を発揮!日本学園が堅い守りで東亜学園を下し、ベスト16進出!

日本学園vs東亜学園 | 高校野球ドットコム
日本学園先発の森田 賢太朗

 日本学園vs東亜学園の一戦はお互いの守備力の高さが光った試合だった。その守りあいを制したのが、日本学園だった。

 まず序盤は両先発の投げ合い。東亜学園の先発・深堀 力斗(1年)は120キロ前後の直球、スライダー、シュート気味の直球を使いながら打たせて取るピッチング。まだ球速はないが、ボールの扱いが上手く、これから話題になる投手となるだろう。

 日本学園の先発・森田 賢太朗は、左足を回しこむように上げていきながら、勢いよく腕を振っていきながら投げるオーバースロー。常時125キロ~120キロ後半の直球、スライダーを集める右の本格派だった。

 先制したのは東亜学園。4回裏、二死二塁から5番の早川 直道の適時打で1点を先制。しかし日本学園は5回表に内野ゴロの間に同点に追いつき、6回表には3番・横手 響の適時二塁打で勝ち越しに成功する。

 しかし8回裏、東亜学園が意地を見せる。二死一、二塁から3番阿部敬太の左中間を破る適時二塁打で逆転に成功する。阿部は4打数2安打の活躍。スクエアスタンスで構え、グリップを肩の位置に置いてから背筋を伸ばして、インサイドアウトのスイングを心掛け、広角に打球を飛ばすことができる。打撃以上に目についたのが50メートル6秒1の俊足を生かした中堅守備だ。
「打つ瞬間にスタートを切れるよう、ポジショニングを意識しています」と語るように、普通ならば抜けると思った打球を軽々追いついて捕球してしまう守備範囲の広さは脅威だ。

 主将・阿部の逆転打で逃げ切りたい東亜学園だったが9回表、ミスが続出し、エラーで同点。無死満塁から7番石田渉のスクイズで勝ち越しに成功する。石田はバントが多い役回りだと自覚し、普段の練習ではバント練習を多めにやってきた。その成果が大事な面で発揮された。

 そして9回裏、日本学園は二死一、三塁のピンチで三塁へ鋭い当たり。日本学園ナインは一瞬、肝を冷やしたが、チーム一堅守の佐藤 修星が好捕。危なげない送球で、試合終了。日本学園がベスト16進出を決めた。

 この夏のレギュラーはほとんどいない。それでも新チームから強化してきた守備力の高さを随所に発揮。守備練習の割合を多くしただけではなく、普段の練習試合から内野手、外野手が自分の感覚でポジショニングを磨き、最善の守備位置を守る工夫を重ねた。その結果、鋭い打球に対しても球際の強さを発揮し、内野手、外野手ともにエラーなしと堅い守備を見せた。

日本学園の高橋監督は「今年は守らないと勝てないチームなので、粘り強さを発揮してくれたと思いますし、東亜学園さん相手にできたのは自信になります」と選手の健闘ぶりをたたえた。

 次は強豪の創価と対戦。果たして自慢の守備力はこの試合でも発揮できるか?

■日程詳細・応援メッセージ

秋季東京都大会


トーナメント表

(文=田中 裕毅)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.16

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.15

西東京大会は激戦ブロックが続出!昨夏甲子園出場の日大三は国士舘と同ブロック!【2024年夏の甲子園】

2024.06.15

東東京の横綱に上り詰めた帝京、関東一の軌跡~前田三夫と小倉全由、2人の名将~【東西東京大会50周年物語③】

2024.06.15

【福島】日大東北がサヨナラ勝ち、帝京安積はコールド勝ちで4強入り<春季支部選手権大会>

2024.06.15

今年の東京は「スラッガー大豊作世代」! 超進学校に現れた「プロ入り明言」の二刀流、木製で本塁打量産の早実のスラッガーなどが夏を盛り上げる【注目選手リスト】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.11

センバツ出場・東北のレギュラー左翼手がプロボクサー挑戦へ! エースはENEOS、主力は國學院大、国士舘大などへ進学【卒業生進路】

2024.06.16

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.11

【北海道】十勝支部は12日に抽選会!帯広大谷、白樺学園の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得