ふじみ野vs春日部東
ふじみ野のエース・梅澤、自己最高のピッチングで1失点完投勝利!
1失点完投勝利の梅澤(ふじみ野)
秋ベスト16のふじみ野と春日部共栄を破った春日部東との一戦。まず先制したのはふじみ野。二死二塁から4番福室 和希(3年)の左前適時打で1点を先制すると、3回表には無死一、三塁から2番松尾 透(3年)が左前適時打を放ち、2点目。さらに6回表には、一死三塁から9番青山 陸斗(3年)の内野安打で3点目を入れた。
この3点をふじみ野のエース・梅澤 駿平(3年)がしっかりと守った。春日部東打線について「しっかりと振れる打線で、点はかなり取られる」と覚悟していとた梅澤は、抑えるために変化球のコントロールがカギだと考えていた。持ち球のスライダー、カーブをしっかりと腕を振って、低めにしっかりと集めた。さらに「球の走りは今まで一番だった」と語るストレートは130キロ前後ながら、球速表示以上に感じさせるストレート。速球も低めに集まり、春日部東打線から凡打の山を築いた。
低めの制球力が良くなったのは、投球フォームを変えたことが一番の要因だという。これまで梅澤はテークバックが大きいフォームだったが、コントロールを乱したり、故障することが度々あったため今年の2月から、ふじみ野の前監督で現在はアドバイザーを務める山崎 警氏から投球フォームを教わった。テークバックの動きを小さくし、左腕を畳むような形でトップに入り、左肩と右肩のラインを平行にすることを意識した。この結果ストレートの切れ味は鋭くなり、低めへの制球力が向上。投球の幅を大きく広げることに成功した。
捕手・大野 竜也は「ストレートの勢いも良かったですし、さらに変化球のコントロールも良かったので、リードする側として組み立てがしやすかったです」とエースの出来を絶賛。大野は梅澤とは中学から同じチーム(武蔵狭山ボーイズ)でバッテリーを組んでいるが、気心知れた仲だからこそ、呼吸はぴったりだ。打者に応じて速球中心、変化球中心のピッチングができており、7回裏、一死満塁から味方の失策で1点を失うものの、9回を投げ被安打5、8四死球、1失点の力投で見事に完投勝利。夏のシード権を確定させた。
「打ち合いを予想していただけに、1失点に抑えることができたのはバッテリ―の力が大きいと思います。今日はバッテリーの勝利です」と試合後、ふじみ野の高橋良監督はバッテリーをたたえた。梅澤は「好投ができるのも高橋先生や主将の杉浦辰哉が四球を出しても責めるようなことをせず、思い切り腕を振らせるようなアプローチをしてくれたおかげだと思います」と周囲に感謝の気持ちを表していた。
3回戦の相手は昨秋のベスト8入りした朝霞。昨秋は3回戦で朝霞に敗れ、準々決勝まで進めなかった苦い経験をしていた。だからこそ梅澤は「やり返したい思いです」と秋のリベンジを誓っていた。
(取材・写真=河嶋 宗一)