試合レポート

霧が丘vs新栄

2016.03.26

当たりに当たった須藤昌!霧が丘が新栄との延長を制す!

霧が丘vs新栄 | 高校野球ドットコム

ベンチからの歓声に応える須藤昌(霧が丘)

 3月26日の開幕初日に横浜商グランドで行われたKブロックリーグ戦、第2試合は霧が丘新栄の対戦。霧が丘は昨秋に引き続き、新栄は2014年の春以来の県大会出場を目指すため両校ともに落とせない大事な試合は、1点を争う手に汗握る好ゲームとなった。

 霧が丘・若月、新栄・坂本の先発で始まった試合は、なかなか点が入らない展開が続く。新栄・坂本は、ヒットこそ打たれるも要所を抑える粘りのピッチング。4回にはエラーで出したランナーを三塁まで進められるも、スクイズを外し後続も三振に取り、見事無失点で切り抜ける。

 一方の霧が丘・若月はやや制球に苦しむ様子。4回には3つの四死球で満塁を作り出してしまう。ここは無失点で切り抜けるも続く5回裏、エラーで9番・遠藤を出塁させると、フィルダースチョイスと送りバントで三塁まで進められる。ここで3番・関町に決められ、遠藤がホームイン。ノーヒットでの得点で先制を許してしまう。

 6回表、自分たちが決められなかったスクイズを逆に決められるという嫌な流れを断ち切りたい霧が丘は、4番・庄子がエラーで気迫の出塁。二死一塁となったところで打席に入るのは、第1打席ではツーベースを放ち、前の打席でもヒットを打つなど当たっている須藤昌。須藤昌はこの打席でもあわやという大きなあたりをレフトへ放つ。これが庄子を還すタイムリーとなり、霧が丘がすかさず同点に追いつき試合を振り出しに戻す。


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先発・坂本(新栄)

 勢いづく霧が丘は7回に一死二三塁のチャンスを作るがここは新栄・坂本の粘りの前に無得点。さらに8回にはヒットで出塁した4番・庄子をバントで送り、一死二塁とし、6番・須藤昌に打席を回す。ここで新栄が選んだのは、敬遠。粘り切ってみせろとベンチから声が飛ぶ中、7番・小野崎を浅いライトフライに打ち取り二死までこぎつける。

 霧が丘は続く8番、こちらも好投を続ける若月が自らのバットで決着をつけようとセンターへとヒットを放つ。二塁から庄子が一気にホームを狙うが、新栄センター・直井からストライクの返球があり、ホームタッチアウト。紙一重、ギリギリの攻防に会場からは歓声とため息とが入り乱れた。

 そんな試合は9回まで行われても決着がつかず、延長戦へともつれ込む。そして10回表、霧が丘は再び須藤昌に打席が回ってきた。
一死一塁。ここで敬遠をしても、後続も打つということは先ほど証明済み。新栄は勝負を挑む。1ストライク後ファウルで粘り、カウント2ストライクからの5球目だった。快音を響かせ飛んでいった打球はライトの頭上を越えるタイムリースリーベースとなり、霧が丘が勝ち越しに成功した。

 10回裏、マウンドを守り続けた若月は新栄1番・直井にヒットを許すものの後続を抑え、激闘に終止符を打った。互いにミスはありつつも、驚異的な粘りと攻守の勝負強さを見せたこの試合。Kブロック予選の行方が混沌としてきたことを予感させるには十分なものだった。

(写真・文=青木 有実子

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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