試合レポート

都立農業・都立立川国際vs聖学院

2016.03.13

エース・矢部の頑張りに応えた!持ってる男・松野下純太が躍動!

都立農業・都立立川国際vs聖学院 | 高校野球ドットコム

勝ち越しタイムリーにこの表情(松野下・都立立川国際)

 日大二高立川グラウンドで行われた第11ブロック1回戦、第2試合は都立農業・都立立川国際の合同チームと聖学院の対戦。第1試合同様、こちらも逆転劇が起こった。

 その主役はこの日「持ってる男」として会場を沸かせた都立立川国際中等教育学校の松野下 純太
「普段そこまで打たない選手なんですが、それだけに盛り上がりましたね」と平野監督が振り返るように、彼の一打からチームが変わっていった。
都立農業・都立立川国際としては初回2点の先制を許し、自分たちはその裏、四死球を3つもらいバントも成功させたのに無得点と嫌な雰囲気の立ち上がりを迎えていた。
2回表、先発の矢部がゼロで抑えたその裏、ランナーを出すも牽制でアウトになるなどし、さらにチームは暗くなりかける。この二死走者なしの状況で、打席に立った松野下は思い切りよくバットを振りぬき、左中間を破る三塁打を放つ。この後、聖学院のバッテリーエラーで本塁にヘッドスライディングで還り、チームに気合を注入。さらに2点を奪われ3点のビハインドとなった4回には一死二、三塁のチャンスで打席に立つとライト前へぽとりと落とすタイムリー。聖学院に食らいつく姿勢を見せる。
このラッキーといってもいいタイムリーに客席は、彼に勝利の女神が微笑みかけているのを確信。ベンチも明るさと勢いを増していく。

 5回裏、都立農業・都立立川国際はヒットと四球で一死満塁のチャンスを作り出す。7番に入っている都立農業の小俣が四球を選び1点差。さらに8番・松元も四球を選び同点に追いつく。そしてここで、満を持して松野下。待ってましたの大歓声が沸き起こる。ここまで踏ん張り続けてきた聖学院先発・田澤にもさすがにプレッシャーがかかるが、それは松野下も同じ。だが松野下はそのプレッシャーを跳ね返し、センターへとはじき返す2点タイムリーで期待に応えた。


都立農業・都立立川国際vs聖学院 | 高校野球ドットコム

1番・荻原(聖学院)

 聖学院1番・荻原も三塁打、二塁打、そして単打と活躍を見せ得点にも絡んだ。しかし初回の二塁打以来、ヒットを放つタイミングに「得点圏に走者がいるという場」を作れなかった。時の運、といえばそれまでだが、そうさせなかった都立農業・都立立川国際先発の矢部の頑張りは松野下の陰に隠れてしまう形となったかもしれないが、大きいものだった。

 この日はバッティングで大活躍を見せた松野下だったが、普段は違う形でチームに貢献をしているという。常に明るく笑顔、声の絶えない都立立川国際中等教育学校にあって「誰よりも声を出していると自負しています!」と胸を張る。都立農業との合同チームだが、両校ともすでに息はぴったり。ベンチからの声は合同チームのものとは思えない一体感を感じさせた。その声が最後9回を締めた都立農業・佐藤の好投も生み出したと言っていいだろう。
監督も認める「矢部の頑張りと松野下」。そして、チームの一体感。この合わせ技で3月20日にブロック代表決定戦に挑む。相手は好投手・小宗擁する私立武蔵だ。

(取材・写真=青木 有実子

都立農業・都立立川国際vs聖学院 | 高校野球ドットコム
注目記事
2016年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.07

【夏の甲子園地方大会抽選日&開幕日一覧・近畿地区】近畿一番乗りの抽選は17日の大阪、4府県が7月6日に開幕

2024.06.07

【夏の甲子園地方大会抽選日&開幕日一覧・北信越地区】新潟で21日に抽選会、7月5日の富山で組み合わせが出揃う

2024.06.07

明日夏の組み合わせ抽選! 今年の神奈川は「投手王国県」だ!東海大相模の198センチ左腕を筆頭に、ノーシードにも140キロ超え投手が続出【神奈川注目投手リスト】

2024.06.07

【夏の甲子園地方大会抽選日&開幕日一覧・東北地区】24日に宮城、秋田の抽選!7月6日の宮城が東北一番乗りで開幕

2024.06.07

大学日本代表候補42名が発表! 金丸(関大)・中村(愛知工大)・西川(青学大)のフル代表トリオや164キロ右腕らが選出! 今季不調の宗山(明大)は選出されず

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.02

福岡に逸材現る! ケガから復帰後即144キロ! 沖学園2年生エース・川畑秀輔に注目だ!

2024.06.02

【鹿児島NHK選抜大会】神村学園が期待の2年生エース・早瀬の完投勝利で決勝進出!

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.06.05

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在36地区が決定、徳島の第1シードは阿南光!第2シードに池田!<6月5日>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得