奈良大附vs五條
奈良大附が4本塁打で7回コールド勝ち
最速142㎞/h右腕/
榎健吾
昨秋近畿8強の奈良大附が4本塁打の猛攻で7回コールド勝ちを収めた。
奈良大附は1回表、一死一、二塁から4番・山本陸(3年)が2ボールから甘く入ったストレートを振り抜くと、打球はレフトスタンドへ。先制の3ランで奈良大附が先制点を挙げた。
反撃したい五條は連続四死球で無死一、二塁のチャンスを作る。ここで1点でも返しておきたいところだったが、3番・喜多村陸(2年)は6-4-3の併殺、4番・東浦大二朗(3年)は見逃し三振に倒れ、得点を奪うことができない。
初回の攻防で試合の流れを掴んだ奈良大附は2回表に二死二、三塁から3番・今井優(3年)が左中間に2点適時二塁打を放ち、追加点を挙げる。さらに3回に1点、4回に2点を加え、勝利をほぼ手中に収めた。
そして圧巻だったのが7回表に攻撃だ。二死から8番・池田遼介(3年)がライトへソロ本塁打を放つと、その後も一、三塁のチャンスを作り、2番・吉岡耶翔(3年)がライトへ3ランを放つ。今井も中前安打で続くと、山本がこの日2本目となる2ランを左中間スタンドに放り込んだ。
1イニング3本塁打と驚異的な打撃を見せた奈良大附。守りでも池田、東谷陸(3年)、東大地(2年)の継投で五條打線を3安打無失点に抑え込み、相手を全く寄せ付けない強さを見せた。
4本塁打で14得点の攻撃陣について、「ちょっと出来すぎですね」と語った田中一訓監督。初戦の畝傍戦では結果を残そうと気負いが見られたが、その後の練習でコンパクトに強い打球を打つことを心がけさせたことが、このような結果に繋がった。
2本塁打を放った山本はこれで高校通算本塁打数を19に伸ばした。3回の守備では盗塁を刺し、攻守に躍動した姿を見せた。卒業後は大学で野球を続ける予定で、「技術的なレベルは非常に高いものがある」と田中監督も太鼓判を押す逸材。4年後のプロ入りに期待がかかる。
30日の準々決勝に向けて、「これ以上の結果を残せるように頑張っていきたいです」と話した山本。奈良県を代表する名捕手の活躍に今後も注目だ。
(記事=馬場遼)