試合レポート

南風原vs具志川商

2013.06.30

野球人生初のスタンドインと4安打の固め打ちで難敵を撃破!

 
高校野球解禁日となってからの3月、仙台育英との対戦で好投し自信を深めた春季県大会では初戦の向陽との試合で二桁奪三振をマーク。次の美里工戦では7安打を打たれるも、要所を抑えるピッチングで味方の逆転を引き出しシード食いに貢献した山城修人具志川商に好左腕ありと言わしめて迎えた最後の夏だったが、ちょっとした歯車の狂いが思わぬ失点を招き、最後まで彼を苦しめてしまった。

1回の表、山城修は先頭打者をセンターフライに打ち取るが続く2番大城拓也にインコースのストレートを弾き返される。

高校野球だけでなく、大城拓の野球人生を通して初となった打球がレフトの柵を越え、南風原が先制点を挙げる。山城修はニ死となってから4番山田貴一にヒットを打たれるが、次打者を三振。最小失点に抑えてマウンドを降りる予定だったが、キャッチャーが取れず一・二塁となってしまった。このバッテリー間の狂いが尾を引いたのか、6番金城弘樹に右中間を突破される2点タイムリー三塁打を浴びると、7番金城雄斗にもライト前へ運ばれた山城修。余りにも大きすぎる4点(自責点1)を失った立ち上がりだった。

[page_break:13安打6得点で快勝した南風原]

13安打6得点で快勝した南風原

逆に大量点をもらい、気持ちに余裕が出来た南風原先発安里拡はノビノビと投げ、4回まで具志川商打線に付け入る隙を与えない。走者を背負ったピンチの5回ニ死二・三塁ではショートゴロに、7回のニ死一・三塁はピッチャーゴロと落ち着いたピッチングで後続を斬ると、9回のマウンドでは三者凡退で見事完封勝利を飾った。もう一人のヒーローである大城拓也は、本塁打の後の二打席目はライト前へ、四打席目はセンター前、9回に回ってきた五打席目はレフト前と、広角に打ち分ける打撃で4安打を記録し難敵山城修の攻略を演出。昨年秋季県大会で4試合24得点を奪いベスト8入りした南風原が、さらにパワフルになった打線を見せつけて二回戦へ進出した。

敗れた具志川商だが、山城修も2〜6回までは僅か2安打に抑えて立ち直りをみせれば、4番高嶺秀斗とともに2安打ずつ放つなど新人・秋・春の三大会連続16強の片りんは見せられたのではないだろうか。もしも前述した5回と7回にあと1本が出ていたなら。。。スコアボードほどの差を感じさせないほどに、彼らの最後の夏に懸けた思いが伝わるような、そんな試合でもあった。

(文=當山雅通)

南風原   TEAM   具志川商
守備位置 氏名 打順 守備位置 氏名
右翼 城間寛之 1番 右翼 仲尾尚人
三塁 大城拓也 2番 二塁 伊禮 俊
捕手 安次富達貴 3番 三塁 新屋佑太
遊撃 山田貴一 4番 左翼 高嶺秀斗
二塁 小濱優磨 5番 一塁 比屋根龍也
中堅 金城弘樹 6番 投手 山城修人
一塁 金城雄斗 7番 捕手 名嘉漱史
投手 安里 拡 8番 遊撃 名嘉眞 駿
左翼 神里 翔 9番 中堅 長濱晃哉

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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