「選手たちも悔しいと思います」 大会中止の決定を受けて、兵庫県内の学校からのコメント
30日に大会の中止が決まった兵庫県。近畿地区では延期の措置を取られている地域が多かったが、初めて中止の決定を下した。これで兵庫県も残す公式戦は夏の大会のみとなってしまった。昨秋の県大会4強チームの監督からは悔しさをにじませる声や、夏に向けて前を向くコメントが寄せられていた。しかし他の学校は今回の中止をどのように受け止めているのか。
兵庫県内の公立校に電話取材で独自取材で今の心境を聞かせてもらった。
「30日も紅白戦をやっていて、練習終わりに伝えました。突然言われたことなので、残念でしたし、選手たちも悔しいと思います。これからはどれだけ高い意識をもって練習に取り組めるか。課題をもって練習ができるか問われてくると思います」(A高)
大会に参加すれば1つの結果が出て、それを踏まえて集大成の夏に向かっていくはずだった。さらに、春の大会を目指してやってきた冬場の成果を発揮できない。選手とともに練習を重ねてきたからこそ、歯がゆさを感じていた。
また別の学校からも中止になったことを残念に感じつつ、選手たちの安全面を考慮して理解をしている学校もあった。
「夏に向けて公式戦になれる、力を試す上では春の大会は大事でした。けど仕方ないと思います。今のまま開催をしても準備ができていないので、怪我をしてしまう。もしくは怪我をさせてしまう可能性がありましたので」(B高)
兵庫県内では県立高にいくつかの条件を設定したうえで活動を再開している。その中には、対外試合・合同練習・合宿を認めない、という条件が入っていた。つまり、試合経験や実戦感覚が不足した状態で大会に入る状況だった。そうなってしまうと、怪我をするリスクも少なからず高くなってしまうことが考えられる。
それでも、選手たちにとって数少ない公式戦の機会が1つ失われたことは確かである。夏の大会は集大成となる。甲子園に行けるチームは1つだけだが、全校が後悔のない夏を過ごせることを祈るばかり。そして無事に夏の大会ができるように、一刻も早く日常が戻ってくることを強く願う。
(記事=田中 裕毅)
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