試合レポート

横浜vs相洋

2017.07.26

長打攻勢の横浜。7回コールドで相洋を下す

 秋、春ともに神奈川準優勝ながら、戦力は神奈川一を誇るとも言える横浜が、持ち前の長打力を遺憾なく発揮した。

 試合は初回から動いた。初回、横浜は一死満塁のチャンスから5番万波 中正が右中間を破る走者一掃の適時三塁打で先制。さらに6番横浜齊藤大輝が中犠飛を放ち1点を追加。4点を先制した。

 横浜先発は背番号10・塩原 陸。緩急をうまく使い、相洋打線を封じ込めていく。しかし3回裏、相洋打線が反撃。7番伊藤寛がこの試合初の走者となる四球で出塁。一死から9番飯田は一犠打を決め、得点圏で1番小栗。小栗は左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、二塁走者が生還。1点を返した。

 横浜は初回以降、得点を挙げられていなかったがグラウンド整備後の6回。先頭の6番齊藤が左中間フェンス直撃の三塁打でチャンスメイク。続く7番山崎 拳登が三遊間を破る適時打で初回以来の得点を挙げる。続く8番辻村 裕紀が右中間スタンドに2ラン本塁打を放ち、3点を追加。
 続く7回には4番増田 珠の2ラン本塁打が飛び出し、差を8点とした。その裏、相洋打線を横浜のエース板川 佳矢が無失点に抑えコールドゲームが成立。準々決勝第1試合は、横浜相洋に7回コールド勝ちを収めた。


長打攻勢を見せた横浜の3選手に注目!

 まず見せたのは横浜の5番に座る2年生・万波 中正だ。初回、四球と野選、さらに4番増田 珠の左前安打で一死満塁となって第1打席が回ってきた。先制点が欲しいこの場面、対する相洋は内野の頭を越えればいいという考えに至る前進守備ではなく、ダブルプレーを狙った守備位置を取った。もし内野ゴロになった場合ダブルプレーの確率が高くなるが、万波は違った。思い切って振りぬいた打球は二塁手の頭上を越え、右中間さえも速い球足で破った。走者一掃となる、先制の適時三塁打。万波の一打にスタンドが沸いた。
 1年生時から長打力は折り紙付きだが、相変わらず打球が速い。準決勝以降の万波のさらなる活躍に注目していきたい。

 次に見せたのは背番号12ながらスタメン出場した辻村 裕紀。現チームには全チームから出場経験のある捕手の福永 奨がいるが、5回戦に続いてマスクを被った。辻村はグラウンド整備後の6回に打棒を見せた。6番横浜齊藤大輝が左中間フェンス直撃の三塁打でチャンスメイクし、続く7番山崎 拳登が三遊間を破る適時打で初回以来の得点を挙げた。その後に打席に立ったのが8番辻村。捉えた打球は逆方向へ。詰まったような音にも聞こえたが、右中間スタンド最前列へ飛び込んだ。この一打で湿りがちだった横浜ベンチやスタンドが一気に盛り上がった。

 そして主砲・増田 珠。1打席目は強烈な左前安打を放つなど、ミート力の高さを見せつけた。しかし2打席目は遊飛、3打席目は増田にとっては珍しい三振に倒れるなどらしくない打席が続いた。このまま今日は終わるかとも思われたが4打席目に修正した。1ボールからの2球目の真っすぐを捉えた打球は、左中間スタンドへ。コールド勝ちを決定づける一打だった。
 増田は打撃だけでなく守備でも目立った。定位置から大きな声を出すことはもちろん、相手選手が治療に時間を割いている間に二塁ベース付近まで近寄って投手や捕手に声をかけるなどして、あらゆる場面を想定してプレー。走攻守すべてにおいてレベルの高さを感じさせた。

 一方、敗れはしたものの途中まで接戦を演じた相洋も素晴らしかった。初回こそ得点を奪われたものの、伊藤寛は横浜打線を打ち取っていった。低めの変化球が決まり、さすがの横浜打線も手こずった。中盤以降引き離されたものの、横浜にプレッシャーを与え続けていたことは間違いない。レベルの高い好チームであった。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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