試合レポート

桐光学園vs厚木北

2016.07.22

わずかな綻びも見逃さない!桐光学園、したたかに厚木北を下す!

 第2シード・桐光学園vs打倒私学の筆頭格・厚木北。この2校の対戦、当初予定されてた21日は雨で中止。そしてスライド開催となった22日も天気予報は雨。そのため12時30分試合開始予定としたが、降り続いた雨が止んだのは試合開始予定時刻の少し前。開催も危ぶまれたが、[stadium]保土ヶ谷球場[/stadium]担当の横浜隼人の部員たちが懸命のグラウンド整備を行い、プレー可能なレベルにまで持って行った。横浜隼人は同日他の球場で試合を行っており、保土ヶ谷でグラウンド整備にあたった部員たちは、その試合を見られないことになる。それでも泥だらけになりながら作業し、試合開始までこぎつけた。
そんな思いを受け取り14時に開始された試合は、両チームとも引き締まったプレーを見せた。

 最初にチャンスを作ったのは厚木北。2回表、先頭の4番・中川 雄斗がヒットで出塁。5番・金田 悠太朗がバントを決め、一死二塁。6番・片瀬 宙志はストレートの四球を選び、一死一二塁。さらに7番・重田 海斗がヒットで続き、一死満塁のチャンス。しかし後続がファーストファウルフライ、ショートゴロに打ち取られチャンスを逃す。

 3回裏、桐光学園は一死から1番・渡邉 宏祐がバントヒットで出塁し、さらに盗塁を決める。続く2番・渡部 遼人の当たりがエラーを誘い、一死一三塁に。ここで3番・延命 秀太郎がスクイズを成功させ、1点を先制。この相手の隙を見逃さない姿勢は、続く4回にも見られる。
その4回裏、一死から7番・大坪 亮介がヒット、8番・大河原 誠が死球で出塁し一二塁とすると9番・逢阪 倫充がサードへのバントヒット。ファーストへの送球が逸れる間にセカンドから大坪が一気に還り1点を追加。さらにゲッツー崩れの間に1点を追加し、この回2点を追加し3対0と差を広げる。

 こうして3点を奪われた厚木北だが、先発・金田 悠太朗のテンポの良い投球は続き、バックも失点した3、4回以降も集中力を切らさない。その間に反撃したい厚木北だが、4回途中から登板の桐光学園エース・中川 颯に抑え込まれていく。

 それでも8回表、厚木北は先頭の8番・保坂 公太が死球で出塁。9番・藤澤 誠輝が送りバントを決め、一死二塁。その後保坂は内野ゴロの間に三塁に進み、二死三塁。そして2番・小川 翔平の打球はライトへ抜けようかという鋭い当たりだったが、途中出場の桐光学園ファースト・小林 将輝がダイビングキャッチでアウト。厚木北は悔しい無得点となってしまう。

 その裏、桐光学園は一死から6番・齋藤 健成、7番・大坪の連打で一三塁とすると、先ほどファインプレーを見せた8番・小林がレフトへタイムリーを放ち、ダメ押しの1点を手に入れる。

 続く9回表の厚木北の攻撃を3人で退けた桐光学園が4対0で勝利。4回戦へと駒を進めることとなった。少しの綻びを見逃さなかった桐光学園は、さすが第2シードというしたたかさ。厚木北も最後まで気迫あふれるプレーを見せてくれた。その意地と集中力の高さは目を見張るものが合った。

 また、両チームが伸び伸びとプレーし鍛えられた堅守を披露できたのは、横浜隼人の25名の部員たち。良い試合を見せてくれた桐光学園厚木北の選手達にはもちろん、彼らにも改めて拍手を送りたい。

(文=青木 有実子)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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