試合レポート

滝川第二vs北大津

2012.08.10

兵庫大会通りの戦いを見せた!

161チームでしのぎを削る兵庫県を勝ち抜いた滝川二。
神戸国際大付、報徳学園と優勝候補を次々と破って13年ぶりの出場だ。迎えた初戦。予選同様のギリギリの戦いを見せてくれた。

滝川二は初回に。1番松尾 幸平(3年)が四球。すかさず松尾が盗塁を決め、2番森 潤司(3年)の犠打で一死三塁。3番藤川 弘樹(3年)がワンストライクからスクイズ。しっかりと決めて、1点を先制する。滝川二はノーヒットで1点を先制した。

だが北大津。二死二塁から4番北條が直球を捉えて右中間を破る二塁打で追う同点に追いつく。

3回裏、二死二塁から3番東明生(3年)がスライダーを振り抜き、右中間を真っ二つに破る三塁打。そして三塁への送球が逸れて、東も生還。そして4回裏、一死一、三塁で8番則本 佳樹(2年)。ワンストライクから一、三塁走者がスタート。恐らくスクイズを考えられるが、則本がバットを引いてしまった。挟まれてしまったが、挟殺の間に三塁手の送球がすっぽ抜けてしまい、さらに1点を追加。滝川二。ミスからの失点が目立つ。

5回表、一死から8番竹上裕一郎の右前安打。犠打で二死二塁。1番松尾幸平はスライダーを引っかけショートゴロ。しかしショートが弾いてエラー。二死一、三塁。2番森の場面で暴投。三塁走者が生還し、4対2。森は四球で出塁。二死一、二塁となって、3番藤川は詰まった当たりはセンター手前へ打ち上がる飛球。これをショートとサードが交錯し、安打に。これで1点差。二死一、三塁。4番馬場 修平(3年)の場面で、1ストライクから則本野ボークで同点に追いつく。投球モーションに入る前にボールを落としてしまった、動揺が見える則本。一度タイムを取って落ち着いて投げて入れば、良かったかもしれない。

 北大津はミス4つで同点に追い付かれてしまった。


 8回表、滝川二は先頭の藤川が初球の緩い変化球を捉えてレフトの頭を超える二塁打。ここまで2安打を打っていた4番馬場が犠打で一死三塁のチャンスを作る。そして5番沢田 昌吾(3年)の中犠飛で1点を勝ち越す。そして滝川二のエース佐藤 智貴(3年)は同点にしようと焦る北大津打線の心理を突く変化球中心の投球。佐藤のスライダーに大振りしてしまい、ミートすることが出来ない。滝川二・佐藤は振れる北大津打線を凌いで、2回戦進出を果たした。

滝川二は3、4回にミスが重なって4-1と不利な状況であったが、追い付いてからは自分たちのペースに持ち込んで試合出来たのが勝利につながった。北大津は伝統的に振れる打者が多い。今年もその伝統を受け継いでおり、3番東、4番北條を筆頭に腰が据わってしっかりとしたスイングから力強い打球を飛ばせる選手が目についたが、同点に追い付かれてから早く勝ち越したいという焦りが見え始め、変化球を打ち上げる打者が多かった。

滝川二のバッテリーが上手かったのは北大津の打者の心理を突いて、低めの変化球でうまく誘って打ちあげさせた。

大きな強みはないが、勝つ為に敵の隙を逃さない、心理的な焦りを上手く利用する野球が出来ている。そしてチャンスを作ってからはスクイズ、犠飛で点を取れるのも強み。優勝候補を相次いで破り、激戦区の兵庫を勝ち抜いたのが納得出来る一戦だった。

(文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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