試合レポート

久留米商vs筑陽学園

2010.10.05

2010年10月04日 久留米市野球場

久留米商vs筑陽学園

2010年秋の大会 秋季福岡県南部大会 決勝

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高木(久留米商)

400球の熱投

 本来なら、準決勝の翌日である昨日が決勝だった。
昨日の福岡は朝から土砂降りの雨。試合開始を待つことなく、順延が決まった。両校の選手にとっては、『思わぬ』休養となったはずだ。

決勝は、3時間という『思わぬ』長い試合になった。
両チームのピッチャーの投球数は合計400を超えていた。

1回表、今日も筑陽学園のマウンドには黒川が上がる。久留米商は二死から3番鳥巣がレフトへの二塁打を放つ。続く4番秋山は、巣トレー炉の四球を選ぶも二者残塁。
こちらもマウンドには高木。毎試合、奪三振ショーを見せている。今日も、先頭の今泉を三振に取ると、初回は2奪三振。2回も2奪三振と快調な滑り出しを見せる。

3回。試合が動く。一死から久留米商2番馬場がレフトへの二塁打を放つと、続く鳥巣のゴロエラーの間にセカンドから一気に生還。準決勝同様、足を使っても攻めの姿を見せる。

1点を先制された筑陽学園。4回裏、先頭の3番隈本がフルカウントから四球で出塁すると、4番松尾がヒットで続く。犠打などで二死となり、7願古賀寛のゴロエラーの間に2人が還り逆転する。
対する久留米商も、5回、1番手島がヒットで出塁すると、3番鳥巣のタイムリーで同点に追いつく。さらに4番秋山。筑陽学園黒川のワイルドピッチで二死二塁とすると、真芯でとらえたタイムリーヒットで逆転。こちらも譲らない。


黒川(築陽学園)

 

 5回が終わって、3-2 久留米商業がリード。

6回表、筑陽学園黒川は、得点こそ与えなかったものの2つの死球を与えてしまう。裏には、久留米商高木が先頭の3番隈本、4番松尾に粘られたうえに安打され、自信のワイルドピッチで同点に。また、5番古賀隆の犠飛で、再び逆転される。

後半に入り、両投手とも疲れが見え始めるが堅い守備にも助けられ、なかなか突き放すことができない。

3-4で迎えた9回表。久留米商が底力を見せる。
先頭の2番馬場がヒットで出塁すると、3番鳥巣がきっちりと犠打を決める。
鳥巣は、3打数3安打犠打1。前の試合で決勝打となる本塁打を放っている。この試合では『いつもの』2番ではなく3番での起用が的中した形だ。

続く秋山は「これぞ4番」という当たりの三塁打で同点に追いつく。秋山は、ベンチ・スタンドに大きなガッツポーズを見せた。
9回裏、高木は今日10、11個目となる三振を奪い、延長戦に。

この時点で両投手の投球数は160になろうとしていたが、延長のマウンドにあがったのも、黒川と高木だった。

黒川は、10回表に親指がつるアクシデントに見舞われるも踏ん張る。
高木は、ヒットを許すも好守に助けられ乗り切る。


秋山(久留米商)

耐えに耐えた12回表、均衡が破れた。
先頭の久留米商6番的野が相手のエラーで出塁すると、犠打と内野ゴロで三塁へ進む。9番佐藤謙生(けんしょう)に投じた初球がレフトの頭を超える二塁打となり、これが決勝打となった。

試合終了とともに、スタンドからわき上がる歓声。『甲子園行くぞ!!』の声もこだまする。
福岡県の九州大会出場枠は3。地区大会で優勝すれば、九州大会に出場できる。
『九州大会で勝ち、センバツ出場を!!』
スタンドから、古豪へエールが送られる。

久留米商 高木宗祥(ひろよし) 12回202球 13奪三振

筑陽学園 黒川ラフィ    11回2/3 196球

熱投だった。
ただ、両チームにミスがなかったわけではないが、十分休養して、県大会・九州大会に臨んでほしい。
福岡県大会は、10月9日(土)に久留米球場で行われる。

(文=鎌倉 彩

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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