試合レポート

市立船橋vs行徳

2022.09.23

市立船橋は新チームから投手を始めた背番号3が力投!篠崎主将が2試合で3本塁打10打点の頼もしい活躍を見せる

市立船橋vs行徳 | 高校野球ドットコム
満塁本塁打を放った篠崎(市立船橋)

<第75回秋季千葉県高校野球大会:市立船橋11-1行徳>◇23日◇3回戦◇千葉県

 夏甲子園出場の市立船橋と、創部初の県大会ベスト16まで勝ち進んだ行徳の一戦。

 市立船橋は1回裏、連打でチャンスを作ると、大野 大樹内野手(1年)の適時打で2点。さらに犠飛で一気に3点を先制した。3回裏には先発の吉田 有摩内野手(2年)の適時打で1点を追加。

 だが、行徳も6回、6番中村敦也外野手(2年)の適時二塁打で1点を返すが、市立船橋も6回裏、バッテリーミスで1点を追加。7回裏には犠飛で1点を追加し、6対1とする。

 そして8回裏、1点を追加後、4番篠崎大耀外野手(2年)の満塁本塁打で11対1と点差をつけて、8回コールド勝ちを決めた。

 この日は背番号3の吉田の力投が光った。新チームがスタートし、習志野四中以来となる投手を始めた。強打に自信があるが、肩も強く、常時130キロ前半の速球とスライダーを投げ分けた。10安打を打たれながらも、わずか1失点に抑える力投だった。175センチ、80キロとガッシリな体型。まだ経験が浅いことを考えると、ボールから崩れることもなく、これからが楽しみだ。一冬越えれば、140キロ台は見込めるのではないか。吉田は「自分より実力が上な投手が多いので、休ませようと思って投げました」と見事に完投勝利を挙げた。

 主将の篠崎は満塁本塁打を放った。2回戦の習志野戦の3ラン2本に続いての活躍。篠崎はこの2試合、本塁打だけで10打点を稼いでいることになる。長い千葉の高校野球史でも、なかなかない凄い記録だ。

 篠崎は「打撃を指導してくれるコーチの方と日々、修正点を指摘いただき、それがうまく結果となって表れています」と手応えを口にする。

 準々決勝では、ここまで強豪を下し、粘り強く勝ち上がっている志学館と対戦する。苦戦が予想されるが、今大会光っている集中打で勝利をモノにできるか。

 創部初のベスト16入りを成し遂げた行徳もなかなかの好チームで、カバーリングやポジショニングなどを見ていても、かなり鍛えられているように感じる。

 ただ、指揮を執る吉田監督によると、秋に関しては打てるチームを目指し、打撃指導や、量を重視して取り組んできた。市立船橋の吉田も130キロを超える直球を投げていたので、そういう投手からでも10安打を打てた点は評価できる。この冬は守備の精度を高めることが課題となった。そして市立船橋と対戦し、目指すレベルが見つかった点も冬の練習へ向けてのモチベーションとなったようだ。

 右サイドの阿原速斗投手(1年)も120キロ前後の速球とスライダーを丁寧に投げ分ける投球が光った。日々の練習やフォームの細かなチェックやコントロールを磨くことにこだわった。

 さらにレベルを高め、千葉の強豪校を脅かすチームになることを期待したい。

(取材=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【宮崎】日章学園、富島、小林西などが初戦を突破<県選手権大会地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?