試合レポート

北摂つばさvs箕面自由学園

2016.07.18

北摂つばさ、夏初勝利から連勝へ

 2007年創部の新鋭校で昨年までなぜか夏の白星に見放されていた北摂つばさ、節目の10度目の挑戦となる今夏、1回戦で門真西を破り嬉しい夏初勝利を挙げた。記念の勝利から中2日で迎えた箕面自由学園との試合も1回戦同様1点差の緊迫した展開となった。

 初回、右アンダースローの田渕璃久(2年)が立ち上がりを3人で抑えると打線はその裏、一死一、二塁から4番の山中錬人(3年)が左中間に適時打を放ち先制に成功する。

 2回も無失点に抑えた田渕は3回にアンダースローのお手本のような投球を披露する。この回先頭の箕面自由学園7番・竹下宗伺(2年)を1ボール2ストライクと追い込むと最後はスライダーで空振り三振。三塁側いっぱいのプレートを踏み、アンダースローから繰り出すアウトローへ逃げて行く球に竹下のバットは空を切った。

 さらに続く森武仁(2年)も追い込むと、今度はインサイドのボールゾーンから入ってくるスライダーで見逃し三振。相手打者を幻惑する投球で手玉に取るが、箕面自由学園も簡単には引き下がらない。二死から木村蓮太(2年)が四球で歩くと大前友希(1年)の初球にエンドランを仕掛け一、三塁。さらに大前は柴藤修矢(3年)の初球に盗塁を決める。

 得点には結びつかなかったものの、5回にも先頭の代打・海老澤健(3年)が安打で出塁すると森の打席で1ボールからバントエンドラン。これがファールになると3球目に単独スチール。攻撃ではベンチが積極的に仕掛け、守備でも4回、北摂つばさの山中が放った左中間への大飛球をレフト益田大輔(1年)がダイビングキャッチ。

 抜けていれば三塁打かと思われた打球をつかむと、続く有田の痛烈な打球をサード・大前が体を張って止める。前に落とすとボールを拾い素早く一塁へ送球。守備の好プレーが続き試合を引き締めた。

 追う箕面自由学園が流れをつかみかけたが、先に得点したのは北摂つばさ。5回、二死三塁から1番の坂口大和(2年)が三遊間を破るタイムリー。チームとしても初回以来となる安打で追加点を奪うと右の拳を握り締めながら一塁ベースへ走って行った。

 リードを広げられた箕面自由学園は6回に一死二、三塁から小路裕也(3年)の内野ゴロの間に1点を返すが後続が倒れ同点はならず。直後の一死満塁は無失点で凌ぐが終盤は7回からマウンドに上がった北摂つばさの左腕・佐藤樹(2年)の前に走者は出すもあと1本が出ず。

 8、9回と得点圏に走者を背負った北摂つばさだが佐藤が踏ん張り逃げ切りに成功。秋も春も2戦目で黒星を喫していたが最後の夏に殻を破った。このままチャレンジャー精神で3回戦に挑む。

(文=小中 翔太

北摂つばさvs箕面自由学園 | 高校野球ドットコム
注目記事
第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【宮崎】日章学園、富島、小林西などが初戦を突破<県選手権大会地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?