都立福生vs都立板橋
1次予選のトーナメント表
・日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
・世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
・日本学園などが属する第13〜18ブロック
・城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック
都立福生が都大会進出!エース前田が9回完投、スライダーはマエケンを参考
都立福生先発・前田幹太
<春季東京都高校野球大会1次予選:都立福生5-4都立板橋>◇21日◇代表決定戦◇明中八王子高校
メンバー登録16人だった都立福生が、東東京で数ある都立高の中でも有数の実力校である都立板橋を破り、4月からの都大会の切符をつかんだ。
初回に5番・前田 幹太投手(3年)の一打など、いきなり2点を先取して都立福生がリードすると、2対2の同点で迎えた6回には再び5番・前田がタイムリー。再び都立福生がリードする試合展開で、都立板橋を苦しめた。
8回にまたも同点されたものの、直後に7番・橋本 成騎捕手(2年)のスクイズが決まり、決勝点となる5点目。先発した前田が9回まで1人で投げ抜き、都立福生が東東京の実力校・都立板橋を下した。
都大会出場が決まった瞬間、マウンドで大きくガッツポーズを見せた都立福生・前田。投げては9回完投、打っては2安打3打点と、投打でチームに大きく貢献した。
特に3打点のバッティングについて、「元々4番を打つくらいの実力があります」と永島監督も太鼓判を押すほどの打力の持ち主。主将でエースという看板を背負っている関係で、5番に置いており、信頼を寄せている。
対照的にピッチングについては、賭けに出ている部分があった。
「制球力のある武井(壮気)もいますが、相手は前の試合で31得点取るような打線なので、制球力が不安でも威力がある前田に託しました」
永島監督が託した思いに、エースは勝利という形で応えた。しかも、都大会出場が決まるというおまけつきだ。価値ある1勝を届けられたことに「気持ちいいですし、素直にうれしいです」と前田は笑みをこぼしながら話した。
歩幅8歩という大きなステップで下半身をしっかりと使うようなダイナミックな投球フォームで、直球と落ちるスライダーを織り交ぜる。最速135キロを計測する直球も走っていたが、この試合では特に追い込んでからは武器であるスライダーを使い、6奪三振を記録した。
1次予選のトーナメント表
・日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
・世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
・日本学園などが属する第13〜18ブロック
・城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック
都立板橋3番・宮澤克
このスライダーだが、メジャーリーガー・前田 健太投手(PL学園)がかかわっているという。
「中学まで真っすぐだけで、1年生の夏からスライダーを覚えようと思った時に、前田投手が、スライダーについて話している動画を見つけまして、それを参考にして練習して、習得しました」
握りはもちろん、手首の角度など細かな部分まで参考にし、その年の秋にはスライダーをマスター。現在は多くの球種を使い分けるそうだが、「スライダーは自信を持っている武器です」と主張するように、ピッチングの軸となる球種となっている。
「都大会ではストライク先攻の投球で、四球を減らせるようにしたい」と10四死球を出してしまったことを反省。春の都大会までに修正できるか。
都立福生に終盤で追いついたが、あと1歩で勝ち越せなかった都立板橋。柴崎監督は、「悔しいです」とはっきり一言。試合後に悔し涙を流す選手たちがいるのを見れば、敗戦に落胆していることはすぐにわかった。
というのも、新型コロナウイルスの影響で、主将を含めた主力4人が不在。ベストメンバーではない状態でブロック予選に入っていた。だからこそ、「4人のために都大会に出場したかった」と副主将・本間 謙太郎捕手(3年)は、悔しさをにじませながら、敗戦を受け止めようとしていた。
ただ3番・宮澤 克内野手(2年)、6番・堀口 健人内野手(2年)、2番手で登板した天野 元投手(2年)とポテンシャルを感じさせる選手が数多くおり、本来の実力を発揮したときは、どんな野球を見せるのか期待が膨らむ。夏こそはベストメンバーで上位進出をするために「毎日が勝負だと思って志高く、無駄を省いて、1日の重みを感じながら練習したい」と本間副主将はコメントし、さらなる成長を誓った。
(記事:田中 裕毅)
1次予選のトーナメント表
・日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
・世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
・日本学園などが属する第13〜18ブロック
・城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック
ハイタッチする都立福生ナイン
マウンドに集まる都立板橋ナイン
マウンドに集まる都立福生ナイン