試合レポート

履正社vs大阪桐蔭

2020.08.10

勝負を分けた2回の攻防。プロ注目の小深田大地は4安打も2年生左腕・松浦には完敗

 「2回の満塁で点を取られていたら、逆の展開になっていたかもしれないですね」

 試合後、履正社の岡田龍生監督は笑顔で序盤の攻防を振り返った。
 [stadium]大阪シティ信用金庫スタジアム[/stadium]で行われた履正社大阪桐蔭の準決勝は、結果だけを見れば9対3と点差のついたゲームとなったが、両チームの実力に決して大きな差があった訳ではない。

 岡田監督がポイントに挙げた2回の満塁とは、大阪桐蔭が7番・吉安遼哉のタイムリーで先制点を挙げ、なおも一死満塁のチャンスを作った場面だ。

 ここで打席に入った1番・野間翔一郎は、履正社の先発・岩崎峻典のストレートにタイミングが合わず空振り三振。続く2番・加藤巧也はセカンドフライに打ち取られ、結局この回は1点止まり。
 ここで追加点を奪えなかったことが最後まで響いたのだ。

 これで逆に勢いづいた履正社は直後の2回裏、無死満塁から8番・中原陽志の走者一掃のタイムリーツーベースで逆転に成功し、さらに相手のフィルダースチョイスで追加点。
 その後も履正社の集中打が止まらず、5回までに9得点を奪う猛攻を見せた。

 試合の後半は、大阪桐蔭の2年生サウスポー・松浦慶斗が力投を見せて試合は膠着。
 松浦は準々決勝や5回戦でも好投を見せたが、この試合では特に力のこもった投球を見せた。

 プロ注目の強打者・小深田大地との2度の対戦では、真っ向勝負を挑んで2打席とも押さえ込む。小深田にも「真っ直ぐの勢いが違う。ああいう投手を打たないと上のレベルでは通用しない」と言わしめ、改めてその能力の高さを見せつけた。

 そしてその小深田だが、松浦には押さえ込まれたものの、この試合では6打数4安打1打点と存在感を大きく示す。試合後には「一番しんどい試合でした。ホッとしてます」と安堵の表情を浮かべたが、気持ちはすでに星稜との交流戦に向かっていた。

 他にも、注目選手が目白押しの両校であるが、交流戦ではどんな戦いを見せるか注目だ。

(記事=栗崎祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.20

【秋田】横手清陵と本荘が8強入り、夏のシード獲得<春季大会>

2024.05.21

いまも3人が現役で奮闘中! 200勝達成したダルビッシュの同期生

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?