北摂つばさvs箕面自由学園
北摂つばさ、夏初勝利から連勝へ
2007年創部の新鋭校で昨年までなぜか夏の白星に見放されていた北摂つばさ、節目の10度目の挑戦となる今夏、1回戦で門真西を破り嬉しい夏初勝利を挙げた。記念の勝利から中2日で迎えた箕面自由学園との試合も1回戦同様1点差の緊迫した展開となった。
初回、右アンダースローの田渕璃久(2年)が立ち上がりを3人で抑えると打線はその裏、一死一、二塁から4番の山中錬人(3年)が左中間に適時打を放ち先制に成功する。
2回も無失点に抑えた田渕は3回にアンダースローのお手本のような投球を披露する。この回先頭の箕面自由学園7番・竹下宗伺(2年)を1ボール2ストライクと追い込むと最後はスライダーで空振り三振。三塁側いっぱいのプレートを踏み、アンダースローから繰り出すアウトローへ逃げて行く球に竹下のバットは空を切った。
さらに続く森武仁(2年)も追い込むと、今度はインサイドのボールゾーンから入ってくるスライダーで見逃し三振。相手打者を幻惑する投球で手玉に取るが、箕面自由学園も簡単には引き下がらない。二死から木村蓮太(2年)が四球で歩くと大前友希(1年)の初球にエンドランを仕掛け一、三塁。さらに大前は柴藤修矢(3年)の初球に盗塁を決める。
得点には結びつかなかったものの、5回にも先頭の代打・海老澤健(3年)が安打で出塁すると森の打席で1ボールからバントエンドラン。これがファールになると3球目に単独スチール。攻撃ではベンチが積極的に仕掛け、守備でも4回、北摂つばさの山中が放った左中間への大飛球をレフト益田大輔(1年)がダイビングキャッチ。
抜けていれば三塁打かと思われた打球をつかむと、続く有田の痛烈な打球をサード・大前が体を張って止める。前に落とすとボールを拾い素早く一塁へ送球。守備の好プレーが続き試合を引き締めた。
追う箕面自由学園が流れをつかみかけたが、先に得点したのは北摂つばさ。5回、二死三塁から1番の坂口大和(2年)が三遊間を破るタイムリー。チームとしても初回以来となる安打で追加点を奪うと右の拳を握り締めながら一塁ベースへ走って行った。
リードを広げられた箕面自由学園は6回に一死二、三塁から小路裕也(3年)の内野ゴロの間に1点を返すが後続が倒れ同点はならず。直後の一死満塁は無失点で凌ぐが終盤は7回からマウンドに上がった北摂つばさの左腕・佐藤樹(2年)の前に走者は出すもあと1本が出ず。
8、9回と得点圏に走者を背負った北摂つばさだが佐藤が踏ん張り逃げ切りに成功。秋も春も2戦目で黒星を喫していたが最後の夏に殻を破った。このままチャレンジャー精神で3回戦に挑む。
(文=小中 翔太)
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