沖縄尚学vs陽明
比嘉健一朗投手(沖縄尚学)
沖縄尚学、安定した試合運びでベスト4へ
夏の選手権県大会を例に取れば、前身の大平高校時代の1984年に勝ち上がった3回戦進出が最高位の陽明高校が、今新人大会地区予選で見事2位通過。
中央大会1回戦も那覇西との延長10回を制して、大平時代を含む同校が参戦して初となる大会ベスト8入りを果たした。
対するは過去に春のセンバツで全国二度の優勝を誇る名門。中学のエリートが集う沖縄尚学との見所は、陽明がどこまで粘りの野球を見せられるのかというところだ。戦いによっては、来る秋季大会もある程度の計算が成り立つことにも繋がるだろう。
試合はやはり初回から動く。選手個々で圧倒的に勝る沖縄尚学は、二つの四球とヒットで満塁とすると、5番具志堅がライト前へ先制のタイムリー!
2回にも同じく二つの四球でツーアウトながら一・二塁として、2番知念がセンター前に運び得点。知念はこの後の打席でもヒットを放ち3打席連続安打と絶好調だった。
対する陽明は2回裏、二本のシングルヒットを重ねてニ死二・三塁とチャンスを得るが見逃し三振。陽明の立場は挑戦者。厳しいコースでも振って欲しかった。先発の右腕神山の四球となど、少し消極的な面が見え隠れする場面に物足りなさを感じた。
沖縄尚学先発の左腕比嘉健一朗は、170cm57kgと小柄ながら糸を引くようなストレートと、切れ味鋭いスライダーを駆使し、7回ワンアウトを奪い降板するまでに9つの三振を奪う快投。
比嘉健一朗
「試合前のブルペンでは自分が思っていたよりもボールは走っていたので、ペース配分だけ間違わなければいいなと思いマウンドへ上がりました。」
打線も『 地区予選第一代表決定戦あたりからバッティングが下降気味だった 』ので心配だったという、沖縄尚学・伊志嶺監督(今新人大会は比嘉監督に変わり采配)だが、3番柴引佑真があわやフェンス越えという当たりを二打席続けて見せるなど9安打で7点を奪い投打に圧勝した。
(文=當山雅通)