育成ドラフトから8年! レギュラーまであと一歩に迫った牧原大成
今シーズン、日本一となったソフトバンク。首位打者に輝いた柳田悠岐やデニス・サファテの穴をしっかりと埋めた森唯斗、その他にも多くの選手が立役者となった。そのなかでも大きかったのが牧原大成の躍進だろう。
近年のソフトバンクは二塁のポジションを固定できずに多くの選手を起用してきた。今シーズンも7月前半まで本多雄一、川島慶三、高田知季、ユリスベル・グラシアル、西田哲朗、明石健志、川瀬晃と7人がスタメンに名を連ねた。明らかに多い。
しかし、7月8日からは打って変わって、ほぼひとりの選手がスタメンで起用されている。高卒8年目の牧原大成がポジションを掴んだのだ。
8年目に大ブレイクした牧原大成
城北時代の牧原大成
牧原は2010年育成ドラフト5位で熊本城北高校からソフトバンクへ入団。2年目の6月に早くも支配下登録され、高卒2年目から一軍で5試合の出番を与えられた。それ以降も徐々に出場機会は増えていったが、突き抜けることはできなかった。しかも同じ2010年育成ドラフトでプロ入りを果たした千賀滉大、甲斐拓也が結果を残しブレイクを果たす悔しさも味わってきた。
その牧原は前半戦で定位置を掴むと打撃で結果を残しスタメンに定着。シーズン終了間際に故障で離脱するまで立派な戦力としてチームに貢献している。その活躍が認められ来シーズンの契約更改では増額を勝ち取った。
育成ドラフトで同期だった千賀や甲斐はチームでだけではなく、日本代表でも結果を残しつつある。牧原もそれに近づきたいところ。そのためには来シーズンの開幕スタメン、そしてレギュラーを勝ち取りたい。
この牧原のように育成ドラフトで入団し、8年後に開花する選手もいるのがプロ野球の世界だ。ドラフト時の評価は低くても、大きく飛躍することけっしては珍しいことではない。今年の育成ドラフトで入団した選手が、数年後にはレギュラーとなっていることも十分にありえるだろう。なかなか注目を浴びにくい育成選手の動向も追いかけていきたい。
【今シーズン成績】
牧原大成(ソフトバンク)
(2018年)59試合/打率.317(249打数79安打)/3本塁打/26打点/9盗塁
(通算)175試合/打率.272(405打数110安打)/3本塁打/36打点/15盗塁
(記事=勝田聡)