意地の一振り、岡本が「曲芸打ち」で本塁打王争いで村上に並ぶ
巨人・岡本和真(智弁学園出身)
まさに「曲芸」だった。巨人・岡本和真内野手(智弁学園出身)が15日の首位ヤクルト戦で39号2ランを放った。目の前で三塁を守るヤクルト村上宗隆内野手(九州学院出身)に1本差をつけられていた本塁打王争いで、再びトップタイとなる一発。「2冠」獲得へ、巨人の4番が意地を見せた。
内角球の難しい球だった。まさに食い込んでくる直球を、体をクルっと回転させてバットを振っただけのような打撃フォームで打ち返した。打球は左翼ポール際に吸い込まれ、スタンドではねた。9月24日阪神戦以来の本塁打。18試合ぶりの感触に酔いしれるようにダイヤモンドを周り、ヤクルト村上の前を通過した。
内外角に3球直球が続き、カットボール、フォークボールを見せられ、ともにファウルの後の、体に向かってくる145キロの速球。この打席で一番球速の出た内角球をジャストミートできる技術は岡本ならではホームラン。長い長いトンネルを抜け出すきっかけとなるのか。
セ・リーグの本塁打、打点の2冠を狙う、村上と岡本の「直接対決」。試合前まで村上に軍配が上がっていた。本塁打、打点部門では、ほぼ同じだったが、打率で負けていた。
岡本(対ヤクルト)
22試合 82打数 23安打 9本塁打 26打点
7四死球 14三振 打率.280
村上(対巨人)
22試合 82打数 29安打 8本塁打 24打点
14四死球 21三振 打率.354
(※10月14日終了時)
村上は相変わらず四死球が多く、この日も3つの四球を選んでいるが、岡本は「本業」で差をつけた。7回には貴重な追加点となる打点を挙げ、「39号&110打点」とした。自身の2冠だけでなく、優勝がなくなった今、チームのクライマックス・シリーズ突破からの日本一への道はまだ残されている。
2人の熾烈な「2冠」レース。若き4番の意地の張り合いは、ますますヒートアップする。