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練習をやらせたくても難しい。新型コロナウイルスで気づかされた地域、学校毎に違う選手たちを取り巻く環境

2020.03.27

 日本だけではなく、全世界に猛威を振るう新型コロナウイルス。今夏開催するはずだった東京五輪も1年以内の延期が確定するなど、各業界に大きな波紋を広げている。

 それは高校野球界も例外ではない。3月19日より幕予定だった選抜やいくつかの地方大会も中止が早々に決まり、これまでにない状況になっている。歴史を見ても稀となる事態に全国の学校では何を感じてどんな対応策に追われているのか、全3回に分けて紹介していく。

 前回は高校野球の現場の今、さらに活動休止中の監督たちの心境などを紹介してきた。今回全国の野球部を独自調査し、活動休止期間中にどういった対応をしてきたのかまとめてみた。

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全国各地の監督から聞いた練習ができないもどかしさ。新型コロナウイルスが及ぼす高校野球への影響

地域、学校によって違いがあり練習量に差が生まれる現実

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 多くの学校で取られた対応策は、選手たちの自主性に任せるスタイル。愛知県にある豊野は現在こそ愛知県で定められたルールの下、12日から練習を再開している。しかし、3日から11日までの期間は練習を自粛。自粛期間中は選手たちの自主性を信じて、練習メニューについては伝えずに活動を再開した。

 ただ練習メニューを伝えずに自主性に任せている学校でも、登校日が学年ごとの時差登校などで選手たちへ伝える時間がなかったり、練習のために外出して感染する恐れをなくすためだったりと様々な理由がある。

 また、地域によっては公園などで練習すること自体を禁じている場所もある。ほかにも地域で運営しているスポーツ施設が閉館になってしまうなど、選手たちの練習できる場所はかなり制限される。その一方で、近所にいるチームメイト同士で集まって広場で練習をしたり、チームによっては球場を借りて練習をしたりする選手たちもいるなど、地域差がはっきり出てくる。

 だが、休みの期間中に練習メニューを伝えているチームももちろんいる。21世紀推薦校として東海地区の代表だった近大高専では、全員に共通してランニングメニューを提示。その上で投手であればシャドーピッチング、野手であれば素振りといった形でそれぞれに渡している。

 地域性や各校の方針それぞれで練習に大きな差が生まれている現在。集大成は夏ではあるが、春の大会も選手たちとっては大事な試合であることは間違いない。先行きは不透明だが、春の大会開催を信じているであろう球児のために、少しでも早く練習できる状況が整うことを願うばかりだ。

 次回は活動休止期間中に選手たちとコミュニケーションをとるために各校の監督たちが実践したある取り組みを紹介していきます。

(記事:田中裕毅

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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