試合レポート

横浜vs浦和学院

2022.10.22

強力な浦和学院打線を無力化、横浜のエース・杉山が7安打完封!

横浜vs浦和学院 | 高校野球ドットコム
完封勝利を収めた横浜・杉山遙希

<第75回秋季関東地区高校野球大会:横浜2-0浦和学院>◇22日◇1回戦◇県営大宮

 浦和学院(埼玉)vs横浜(神奈川)の一戦。全国を代表する名門校で、ファンも多い両校の対決ということもあり、試合前から多くのファンで埋まり、混雑の影響で10時45分からの試合開始となった。

 横浜は立ち上がりが大事だと強調していたように、慎重に対応した。1回表、2死から三塁打を打たれ、ピンチを招いたが、4番・三井 雄心内野手(1年)を抑えた。リズムを作った横浜は1回裏、4番・椎木 卿五捕手(1年)の右中間を破る適時二塁打で1点を先制する。

 この1点で勢いに乗ったのか、先発・杉山 遙希投手(2年)の常時130キロ〜135キロの速球は、県大会以上に走っていて、スライダーのキレ味も良かった。リードする椎木は、浦和学院打線が直球にやや振り遅れ気味と判断し、直球主体で打者を攻めた。直球のスピードは突出したものではなかったが、全身をバランスよく使い、鋭く腕を振っていた。上半身、下半身のバランスが整った時の伸びのある直球には、見応えがあった。

 杉山はピンチを迎えても、間合いが単調になることなく、抑えることができていた。3回表、浦和学院の3番・喜屋武 夢咲外野手(2年)が捉えた打球が右中間へ。これを右翼手の荻原 晴外野手(2年)が好捕。椎木も「非常に大きかったです」と笑みを見せたように、横浜に流れを引き寄せるプレーもあった。

 横浜は5回裏にも5番・萩宗久外野手(2年)の適時打で貴重な1点を追加した。

 杉山&椎木のバッテリーは秋から。杉山は最初「投げづらいところがあった」と語り、椎木は「僕が下級生なので、なかなか言いづらいところがあった」と最初から信頼関係が抜群だったわけではない。それでもお互い思ったことを言い合いながら、信頼を深めていった。また、杉山はバント処理で進塁を阻止したり、牽制で走者を刺したりと、「これが横浜の投手」と村田監督が語るような、投球以外の技術の高さも披露した。

 勢いに乗ったら止められない浦和学院打線を完全に無力化させる7安打完封で杉山の凄みを見せつけた。

 準々決勝では健大高崎(群馬)と対戦する。中2日での試合となるが、「しっかりと準備して臨みたいと思います」と意気込んだ。

(取材=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.28

【大分】佐伯鶴城は4戦3勝、杵築は4戦で1勝<強化試合>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.05.25

【佐賀】佐賀北が初戦突破!九州地区大会4強の唐津商は1回戦で姿消す<NHK杯>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商