淑徳vs安田学園
淑徳 初回の猛攻で勝利! 安田学園のエース・山口 悔やまれる初回に涙
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<第104回全国高校野球選手権東東京大会:淑徳7-4安田学園>◇14日◇2回戦◇神宮
昨夏の東東京大会8強の淑徳と、昨秋の都大会16強の安田学園の強豪対決。安田学園はこの夏から右腕の山口陽が背番号1を背負い、この試合でも先発した。1年生の時から期待され、「一番自分に向かい合って取り組んできた」と會田勇気監督が、力だけでなく取り組む姿勢も評価している逸材だ。しかし、たびたび肘の故障に苦しみ、なかなか活躍ができなかった。夏に向けて手術もして、満を持してのマウンドだった。
1回裏、淑徳打線は安田学園の山口に襲いかかる。1番・高橋輝が内野安打で出塁すると、2番・慈道佑飛の左前安打、3番・宮岡陽希の中前安打でまず1点を先制。4番・斉藤子龍の四球の後、5番・山田桂大の右中間を破る二塁打で2点を追加。この回さらに2点を追加し、淑徳はいきなり5点をリードする。
試合後、涙を流しながら会見に応じた安田学園の山口は、「初めて大きな舞台で先発して、攻めきれませんでした。コーナーを突くとか、いつもはしないことをしてしまいました」と語った。
「悔いが残らないよう、思い切りやろう」と気持ちを切り替えた山口は、2回以降は力のある球を投げて好投する。
2回からは雨の降る中での試合になったが、淑徳の先発・清水悠貴は、「雨の日でも投げておかないと、と思い、雨の日も学校で投げていました」と語る。3回表に左翼手の失策で1点を失うものの、落ち着いた投球を続ける。
2回以降は立ち直っていた安田学園の山口だが、6回裏に走者2人を置いて、淑徳の1番・高橋輝に三塁打を打たれ。さらに2点を失う。
それでも安田学園は8回表に走者2人を置いて7番・今井裕治が三塁打を放ち2点を返し、さらに代打・平川蒼也の中前安打で今井も生還し、追い上げる。ここで淑徳は、昨夏も活躍した横手投げの左腕・伊神遥貴を投入。伊神がしっかり抑え、淑徳が逃げ切った。
安田学園としては、初回の失点と中軸に当たりが出なかったのは痛かった。それでも「粘りはみせてくれた」と會田監督。山口について指揮官は、「高校では、いい思いをさせてあげられなかった」と語るが、苦しみながら精いっぱいの投球をしたエース・山口の投球は、後輩たちに多くのメッセージを残したはずだ。
淑徳は昨夏、伊神の踏ん張りもあって8強に進んだが、「伊神に頼り過ぎていた」と中倉祐一監督。清水が成長してことで、チーム力は上がった。淑徳は秋と春には結果を残していないが、力はあることを示した初戦の戦いであった。
(取材=大島 裕史)