試合レポート

都立日野台vs上野学園

2021.10.16

都立日野台vs上野学園 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

無駄の少ない打撃フォーム統一で、日野台が15安打8得点の快勝

都立日野台vs上野学園 | 高校野球ドットコム
日野台5番・林 慈央

 [stadium]江戸川区球場[/stadium]の2試合目は日野台と上野学園の一戦。試合は日野台が初回から猛攻を見せて、優勢を保ったまま8対4で勝利した。

 まず初回、先頭の牧 瞬平がヒットで出塁するなど二死一、三塁とする。ここで5番・林 慈央が軸をぶらすことなく、くるりと回転して捕らえた打球はセンター前に飛び、日野台が先制。

 さらに6番・近藤 稜真のタイムリーで2点目を奪うと、2回にも1点を追加。5回には再び5番・林のタイムリーで4対0と前半を折り返す。

 上野学園は何とか反撃に転じたいが、日野台先発・林からチャンスが作れずに苦しむと、逆に日野台は後半に入っても追加点を重ね、8回表が終わって8対0となる。

 コールドまで日野台はあとわずかだったが、上野学園も意地を見せる。3番・大久保 響、5番・竹島 翔夢にタイムリーが飛び出すなど一挙4点。8対4とサヨナラへ勢いを作った。

 ただ、日野台がそこまでは許さず、8対4で日野台が2回戦を突破した。

 序盤に攻撃でリズムを掴んだ日野台は、全体として攻撃の高さが光るチームだった。
 予め軸足にしっかりと重心を乗せて、トップも深く作っておいて構える選手が多い。余計な動きをせずに、ボールを呼び込んで、ボールに力をぶつけて、快音を響かせていた。

 畠中監督はこのことについて、チームの決め事だと言う。
「筋力のなく、割れを作れない選手が入学時は多いので、1年間は、打撃の型を作るためにも、全員が統一して無駄の少ないフォームにしています。ただ2年生になったら、基礎が固まっているので、個人で合うフォームに変えてもいいようにしています」

 この試合で3安打を放った2年生・林は、この指導方法について、「調子を落とした時に、立ち返ることが出来るので、大きいです」と1年間かけて作った土台が、調整に役立っていることを話す。

 15安打8得点と打撃で試合を決めた。こうした数字からでも、「練習の成果が出たと思います」と選手たちに伝えてきたことが実を結んだことに、畠中監督は手ごたえを感じていた。3回戦では國學院久我山が相手だが、「楽しみたいです」と畠中監督が話せば、林も同じく「どこまで通じるか楽しみです」と、対戦を待ちわびている。勝てば春季都大会のシード権獲得となる大事な3回戦での戦いぶりに注目だ。

都立日野台vs上野学園 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています


都立日野台vs上野学園 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

都立日野台vs上野学園 | 高校野球ドットコム
ガッツポーズをする上野学園5番・竹島 翔夢

 序盤の失点が響いた上野学園だったが、終盤の猛追は意地を見せた。「反省は試合を終えてからにして、まずは諦めずに集中力を持ってやり切ろう」とベンチで声をかけたという小川監督。普段から前向きな姿勢を持って取り組むように、心がけて指導をしているとのことだが、その成果が出たと言ってもいいだろう。

 また、「(試合の流れを)変えたい」と言う思いで代打攻勢を仕掛けたことが功を奏した。このことに小川監督も、「本当に流れを変えてくれたと思います」と活躍を称えた。

 そんな控え選手たちだけではなく、「バットコントロールが巧い」という4番・上野 悠生や、5番・竹島は打席での待ち方が良く、スイングも癖のない選手だった。彼らを中心に、春先に一回り逞しくなった姿を見せてほしい。

(記事=田中 裕毅


都立日野台vs上野学園 | 高校野球ドットコム
日野台先発・林 慈央

都立日野台vs上野学園 | 高校野球ドットコム
円陣を組む日野台

都立日野台vs上野学園 | 高校野球ドットコム
上野学園ナイン

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?