試合レポート

三浦学苑vs平塚学園

2019.07.18

三浦学苑が一発攻勢で突き放し、平塚学園を破り、4回戦へ

 三浦学苑平塚学園と強豪校同士の対決は終盤まで手に汗握る熱戦となった。

 三浦学苑の先発の渡邉倫太郎はプロも注目する右の本格派。ノーワインドアップから始動し、左足をゆったりと上げていきながら、右足の膝を適度に伸ばしてバランスよくたち、遊撃方向へ送り込んでいきながら、重心を下げて着地する。左腕のグラブをまっすぐ伸ばしていくが、打者から正対するのが早く、縦振りなよ宇に見えるが、左腕のグラブを高い位置で抱え込むので、うまく左腕が使えていない。したがって、体の回転が弱い。常時135キロ程度・最速138キロを計測したが、渡邉ほどのポテンシャルならば、145キロ前後を投げていてもおかしくないものは持っているだけにさらに動作を突き詰めていきたい。速球以外では120キロ前半のスライダー、フォーク系の変化球が良い。粘り強く抑える投球を見せる。

 三浦学苑はなかなか点を奪えずにいたが、1対1で迎えた6回表、3番に入った渡邉が高めのボールを思い切り巻き込んでレフトスタンドへ飛び込む勝ち越し3ラン。打った瞬間、打球の角度、スピードとともに本塁打と確信させるものだった。7回裏に、渡邉は1点を失ったが、8回表、2番益留大河(3年)の2ラン、さらに代打の上村 海斗(1年)の適時打が飛び出し、7対2と突き放す。9回表、2番徳留の適時打、3番渡邉の適時二塁打で9対2と点差を広げた。

 平塚学園は9回裏、内囿有大(3年)の2ランで2点を返すも反撃はここまで。三浦学苑が4回戦進出を決めた。両チームの戦力差はほとんどなかったように思える。ここぞという場面で一発攻勢で得点した三浦学苑が試合を制する形となった。

 敗れたものの、野手のレベルは平塚学園が上回っているのではないだろうか。

 本塁打を放った内囿は182センチ82キロの大型捕手で、地肩も強く、オープンスタンスからしっかりと呼び込んでなめらかなスイング軌道でボールをとらえる選手。また2番田中慎之介(1年)はフルスイングが身上の強打者。166センチ66キロと小柄だが、まるで小笠原道大のようなスイングを見せ、ボールをとらえる。130キロ後半の速球を投げ込む渡邉の速球に振り負けていなかった。楽しみな野手だ。

 そして三浦大輔氏の長男・三浦澪央斗も9回二死から登板した。三浦は今日登板した平塚学園の投手の中では一番の素材だ。181センチ82キロの恵まれた体格から縦回転を意識したオーバーハンド。常時125キロ(最速126キロ)のストレートは威力があった。三振に打ち取り、雄たけびを上げ、全力ダッシュでマウンドに登った。まだまだ速球は伸びる可能性がある。努力を重ね、父のように息の長い投手となってもらいたい。

(文=河嶋 宗一)

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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