試合レポート

境vs清真学園

2019.07.11

境が清真学園に完封勝利!エース右腕・野口渉が141キロ!

 茨城大会1回戦、清真学園のカードは、最高気温24度で風が冷たく感じる曇り空の下に行われた。

 先攻・清真学園の先発は背番号1の右腕・生井澤慎之介が、後攻・の先発は背番号1の右腕・野口渉がそれぞれ任された。

 1回裏、は先頭の染谷侑斗、2番・大江駿希の連打と送りバントで一死二、三塁から、4番・林涼輔のセンター前ヒットで2点を先制する。さらに盗塁と5番・野口渉のセンター前ヒットで一死一、三塁とし、7番・染谷奈生のスクイズで1点を追加する。

 4回裏、は5番・野口と6番・染谷奈の連打と送りバントで一死二、三塁のチャンスを作るが、8番・寺田海人は空振り三振。9番・高島開はピッチャーゴロに倒れ追加点を挙げられない。

 5回表、清真学園が初めてスコアリングポジションにランナーを進める。

8番・山澤龍平と1番・尾崎康佑のヒットで二死一、二塁とするが、2番・羽生竜馬はサードゴロに倒れ反撃できない。

 6回裏、は先頭の4番・林涼と5番・野口の連打と送りバントで一死二、三塁のチャンスを作る。ここで7番・大久保広都はスクイズを試みるが、ピッチャー正面に転がってランナーは本塁憤死。またしても追加点を奪えない。

 7回表、清真学園先頭は6番・久保匡平がライト前ヒット、7番・武内がセンター前ヒットで送って一死二、三塁とし反撃のチャンスを迎える。しかし、9番・宮本一平はフルカウントから136キロの高めのストレートに空振り三振。二死二、三塁から1番・尾崎も空振り三振に倒れチャンスがついえる。

 ピンチをしのいだは7回裏に追加点を挙げる。一死から1番・染谷侑がセカンド内野安打で出塁し、パスボールで二塁へ進塁。続く2番・大江のセンター前ヒットで一死一、三塁から、3番・宮本達充がスクイズを敢行する。これが本塁野選となり1点を追加する。

 4点ビハインドで迎える9回表、清真学園は先頭の6番・久保が内野のエラーで出塁し望みをつなぐが、後続に当たりがなくそのまま試合終了となる。

 が4対0で清真学園を下し2回戦進出を決めた。2回戦は140キロ右腕・佐賀叶典を擁する東風との対戦。140キロ右腕対決に注目だ。


 はエース右腕の野口渉が清真学園打線を6安打完封。野口・大江のバッテリーは序盤をストレート中心に配球したが、中盤からは初球の入り方をスライダー中心の配球に切替えて打者を翻弄した。野口は最速141キロを計測する剛球でストレートの質は極めて高く、吠えながら力を込めたウイニングショットを投じる様からは向こうっ気の強さが伝わる。反面、スライダーなどの変化球は腕の振りが緩んでおりキレがいまいち。打者からは球種の判別がつきやすく三振を多く取れるタイプではない。

 注目すべき打者は2番を打つ大江駿希だ。昨年春の県大会の藤代戦でもひときわ目を引いた打者だったが、資料によれば高校通算25本も放っているという。この試合ではレフト方向(左打ち)に2安打を放ち存在感を示した。昨春の藤代戦でも感じたことだが、打球が逆方向に集まっている特徴があり外の捌きが器用なことがうかがえる。インコースの速球にはどう対応できるのかをこの先の試合で注目したい。

 はこの強打者を2番に据え、3番に2度もバントをさせる面白い打順の組み方をしている。さらに、4度あった一死三塁のケースのうち3度もスクイズを試み、2度成功させた。走塁に関しては、二塁ランナーが一打で生還できる場面で2度とも自重。より積極的に本塁を狙ってみてはどうか。

 清真学園は初回に4本のヒットを浴びて3点を献上したが、その後はエースの生井澤慎之介が最速136キロの力のあるボールで踏ん張り、スクイズを補殺するなど粘りを見せたがチャンスを生かせず無得点に終わった。部員11人の清真学園は3年生が抜けたら残る部員は8人のため秋の単独出場が困難。今後は頭髪を自由にするなど、柔軟な発想をもって部員確保に乗り出す必要がありそうだ。

(文=伊達 康

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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