市立川越vs川口
市立川越が打撃戦を制する!県立川口も打線に手応え
サヨナラホームランに盛り上がる市立川越ナイン
実力校同士の一戦は初回から打ち合いとなった。
まず1回表、県立川口が一死二塁から3番安西が右中間を破る適時二塁打で1点を先制する。しかし市立川越も二死満塁から6番野本の適時打、7番瀬山が走者一掃の適時三塁打を打って、4対1と逆転に成功する。
4回表、県立川口は赤坂の犠飛、押し出し四球で1点差に迫られるが、4回裏、市立川越打線が爆発。先頭打者の8番武井の安打を皮切りに、連打で県立川口の先発・赤坂を攻略。なんと9安打が飛び出し、一気に9点を入れて13対3と突き放した。
しかし県立川口も5回には増田の2ラン。その裏、市立川越は敵失で1点を追加して、再び9点差に持ち込むが、県立川口は6回表にも、一死一、三塁から4番飯田の犠飛で1点を返すと、7回表には二死二塁から敵失で1点を返すと、3番安西の適時二塁打で8対14で一気に6点差に迫りコールドを回避した。
だが7回裏、二死一塁から1回裏に逆転打を打っている瀬山がコールド勝ちを決めるサヨナラ2ランを打ち、試合を決めた。
市立川越、県立川口はともに自慢の打力を発揮。市立川越は全体的に打てる打者が揃っており、本塁打を打つというよりも、内野の間を抜く鋭い打球を打てる選手が非常に多い。低く、ライナー性の打球を打ち返す教育が徹底されているチーム。
だが、今日先発のメンディス海は内容はあまりよくなく、ストレートも125キロ~133キロとそれほど出ておらず、まだまだ調整する時間が必要な内容だった。投手の調子が思わしくない中、打線がその分、打って返してカバーができている。これでメンディス含めて投手陣がしっかりと整備されると、今年も上位まで勝ち進むチームとなりそうだ。
敗れた県立川口はコールド負けを喫したとはいえ、13安打8得点と打力は十分に発揮した。県立川口の鈴木監督は、「うちは守りが身上ですが、取られたら取り返す野球というのも同時にやっています。本塁打を打った増田は秋にベンチ入りしていなかった選手。冬に伸びてきた選手が結果を出してよかったと思います」と、増田を含め、冬に頑張りを見せ、この春に結果を出した選手たちをたたえながら、
「守るチームが、守れないと、このような結果になってしまうので、投手陣を含めて整備が必要かなと思います」と夏へ向けての課題を述べた。
県立川口は腰が据わった構えから鋭い打球を連発できる選手が多く、長打力は市立川越に負けていなかった。今年は地区予選から蕨を破るなど、一戦、一戦力をつけてきたチーム。ノーシードからのスタートになるが、非常に怖い存在になることは間違いない。
(取材・写真=河嶋宗一)
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