沖縄尚学vs美里工
6盗塁12安打11得点!完全勝利で沖縄尚学が5年振りのV!
岡留英貴(沖縄尚学)
「明治神宮大会を制し、春夏甲子園連続ベスト8の山城大智たちのメンバーよりもこちらが上」と、沖縄尚学関係者より伺ったのは春の対外試合解禁であった。この世代で抜き出ているのは知っているが、それにしても。それが本音だったが、それがなるほどと頷ける凄味を感じた攻撃力だった。
1回裏、一死一、三塁から空振り三振の直前、一塁走者が二塁へ向かう。転送されるがこれが悪送球となり三塁走者が生還し1点を先取した沖縄尚学。3回には二死一、二塁から石川亮介がライト前へ運ぶタイムリーを放つ。さらに1点を加えた。沖縄尚学は続く4回にも、無死一塁から主砲砂川リチャードにレフトスタンドへの2ランホームランが生まれ、点差を広げ続けた。
投げては「先発して7回途中までなげられたことは収穫」と、比嘉監督が語った岡留英貴が130キロ後半のストレートを見せつつ、変化球でストライクを稼いでいくピッチングで強打の美里工打線に的を絞らせず、試合の主導権を握り続けた。7回には四球1つを挟む4連打で2点を奪い試合を決定づけた。この試合、沖縄尚学のもうひとつの見どころが脚力だ。ダブルスチール成功を含む合計6個もの盗塁。12安打と合わせて完璧な攻撃力は、来る九州地区高校野球大会でも期待が高まる。
敗れた美里工は「いい勉強になったと選手たちが奮起してくれるのではないかな」と神谷監督が語ったように、一度リセットすることでもう一段上の強さを得ることは可能。一朝一夕では得られないのが打撃力と神谷監督の下、かなりの数を振ってきたことは必ず、良い報いとして帰って来る。凄い投手が揃う九州地区高校野球大会で自分たちのスイングがどれだけ通用するか。楽しみに待っていたい。
(文・写真=當山 雅通)
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