聖望学園vs川越西
瀧瀬諒太(聖望学園)
両チーム共2桁安打。聖望乱打戦を制す。
東日本大震災を見舞う半旗が掲げられた[stadium]飯能市民球場[/stadium]。4月14日(木)春の初戦、聖望学園対川越西の対戦。聖望は1回2本の二塁打に四球を絡め2点先行と順調なスタートと感じたが。川越西は2回にヒット1本と聖望先発の竹ノ谷のワイルドピッチで1点返した。続く3回も、リリーフした聖望の滝瀬を攻め2つの内野エラーとヒットの無死満塁から、3番小林の投手ゴロの間に1点。更に4番中村の左中間を二塁打で2点を挙げ4-2と逆転した。
逆転された直後の4回に聖望打線が爆発。6番の小沢がセンター前ヒット、7番大川が送り1死二塁。8番瀧瀬四球のあと、9番が送り2死二・三塁。ここで、前の2打席で一度もバットを振らなかった主将の奥村がライト前に2点タイムリーで再逆転。返球の間に2塁へ。2番金子も四球を選び一・二塁。更に3番小林も左中間を破る2点三塁打。4番小島も四球の一・三塁から5番村田がライトへ会心のスリーラン。この回7点を挙げ9-4とした。
粘る川越西も5回、2番岩谷のレフト前ヒットから、またも聖望内野陣の連続エラーを誘い無死満塁。気落ちした聖望瀧瀬は5番木下に走者一掃の右中間三塁打を浴び、更に7番にもタイムリーを打たれ1点差まで追い上げた。
ここまで聖望は投手は単調な攻めで、簡単に先頭打者を出しては内野のエラーで塁を埋め失点を繰り返す展開。たまらずベンチは、6回の守備から、昨年秋までの正捕手・鹿島を起用。これが瀧瀬を立ち直らせた。6回以降はヒット3本の1失点に抑えた。
打線は活発な聖望。6回1番奥村の四球を2番金子が送り3番小林、4番小島の連続長短打で2点。7回も瀧瀬の二塁打から、9番乙幡、2番金子、3番小林の連打で3点。9回も3番小林のタイムリーで2点をあげ、計16点を挙げた。打球は何れも鋭く快音を残し外野を抜く当りで好調な仕上がりをみせた。
追加点を挙げる聖望学園
投手陣は、先発の竹ノ谷は力みが目立ち、持ち味の緩急が生かせず要所でタイムリーを浴びる不安な投球。リリーフの瀧瀬も力が入りボールに伸びが無く速球を狙い撃ちされタイムリーの長打を浴びた。何れも自分の持ち味を見失った投球で不安を残した。
心配を残したのは内野陣。昨秋から大胆に守備位置を変更した結果がまだ生かされず、固い守りが伝統の聖望「守りでリズムを作り打線に繋げる」が影を潜め、凡ミスの連鎖を起こし投手陣の足を引っ張る結果となった。初戦の緊張感とは言え、余りのイージーミス連発に「呆れて怒る気にもならない・・」(監督)と大きな課題を残した試合内容となった。
一方の川越西。狙い球を決め思い切りの良く振り切る打線が見事に成功した。相手エラーに付け込み一度は逆転し、さらに5点リードされても粘り強く1点差まで追い上げた戦いは見事であった。最後は聖望の自力に振り切られたが善戦した。
(文=滝島 利夫)