沢村賞の大野ら中堅の活躍光るも若手は…中日投手陣の近年上位指名組の成績

柳 裕也と小笠原 慎之介

　2020年はリーグ3位でシーズンを終えた、8年ぶりのAクラス入りを果たした中日。昨シーズンは大野雄大（京都外大西出身）が沢村賞を獲得するなど嬉しいニュースはあったが、近年のドラフトで上位で指名した投手たちはどのような結果を残しているだろうか。まず、2015年から19年までのドラフトで上位指名で入団した投手たちの一軍での成績は以下の通り。

2015年1位　小笠原 慎之介（東海大相模）
2016年　15試合　2勝6敗　0H0HP　防御率3.36
2017年　22試合　5勝8敗　0H0HP　防御率4.84
2018年　17試合　5勝6敗　0H0HP　防御率4.11
2019年　 7試合　3勝1敗　0H0HP　防御率2.56
2020年　 4試合　1勝3敗　0H0HP　防御率7.11

2015年2位　佐藤 優（古川学園-東北福祉大）
2016年　14試合　1勝0敗　 1H1HP　防御率3.67
2017年　13試合　2勝0敗　 2H4HP　防御率5.40
2018年　42試合　1勝2敗　10H11HP　防御率2.08
2019年　 7試合　1勝0敗　 0H1HP　防御率6.52
2020年　14試合　0勝0敗　 4H4HP　防御率9.18

2016年1位　柳 裕也（横浜-明治大）
2017年　11試合　 1勝4敗　0H0HP　防御率4.47
2018年　10試合　 2勝5敗　0H0HP　防御率5.23
2019年　26試合　11勝7敗　0H0HP　防御率3.53
2020年　15試合　 6勝7敗　0H0HP　防御率3.60

2017年1位　鈴木 博志（磐田東-ヤマハ）
2018年　53試合　4勝6敗　12H16HP　 4セーブ　 防御率4.41
2019年　25試合　0勝2敗　 1H1HP　14セーブ　 防御率4.32
2020年　 6試合　0勝0敗　 0H0HP　 0セーブ　防御率12.91

2017年2位　石川 翔（青藍泰斗）
2018年　1試合　0勝0敗　1H1HP　防御率0.00
2019年　一軍登板なし
2020年　一軍登板なし

2018年2位　梅津 晃大（仙台育英-東洋大）
2019年　6試合　4勝1敗　0H0HP　防御率2.34
2020年　7試合　2勝3敗　0H0HP　防御率3.74

2018年3位　勝野 昌慶（土岐商-三菱重工名古屋）
2019年　 3試合　1勝2敗　0H0HP　防御率6.06
2020年　13試合　4勝5敗　0H0HP　防御率3.88

2019年2位　橋本 侑樹（大垣日大-大阪商業大）
2020年　14試合　0勝0敗　0H0HP　防御率7.41

2019年3位　岡野 祐一郎（聖光学院-青山学院大-東芝）
2020年　11試合　2勝2敗　0H0HP　防御率6.17

　過去5年の上位指名で在籍している投手はこの9名。2019年に11勝を挙げ、右のエース候補として名乗りを挙げる2016年1位の柳 裕也はシーズン序盤の戦線離脱もあり6勝7敗と振るわなかった。2015年夏の甲子園優勝投手で高卒5年目の小笠原 慎之介も4試合、1勝3敗、防御率7.11と苦しいシーズンだった。

　そんな中、投手陣は沢村賞の大野雄大、最優秀中継ぎの祖父江大輔（愛知出身）と福敬登（神戸西出身）、シーズン後半からローテーションの一角を担い8勝を挙げた福谷 浩司（愛知横須賀出身）など中堅勢が引っ張った。

　若手では13試合に先発し4勝5敗、防御率3.88を残した2018年3位の勝野 昌慶がブレイクの兆しを掴んだ。2019年末に発症したヘルニアの影響で出遅れるも、シーズン終盤からローテーション入りを果たし、首脳陣からの期待もうかがえた。

　そして2002年のドラフトでは高校No.1右腕の高橋宏斗（中京大中京）を1位で獲得。2位でも155キロ右腕の森 博人（豊川-日本体育大）を指名し早くも期待度の高い投手たちが加わる。若手投手陣に活気をもたらすことができるか注目だ。

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