News

「活動中止期間もポジティブ要素はたくさん」中学球児に毎日送られる監督からの熱いメッセージ

2020.04.21

「活動中止期間もポジティブ要素はたくさん」中学球児に毎日送られる監督からの熱いメッセージ | 高校野球ドットコム
篠栗ボーイズの練習の様子※写真は2018年11月に撮影

 16日に、緊急事態宣言が7都府県から全国に拡大され、中学、高校の選手たちは自宅待機を余儀なくされているが、この活動中止期間をポジティブに過ごそうと呼びかける指導者は多くいる。

 福岡県糟屋郡で活動を行う篠栗ボーイズでは、本村達也監督が日々選手たちにポジティブなメッセージをLINEで送ることで、自粛期間を有意義に過ごせるよう努めている。
 メッセージの内容は、何気ない日常の有難さや礼儀の大切さ、また自分の将来への問いかけなど様々だ。

 本村監督は「野球から離れたからこそ、気づけるものは多くあると思います。この自粛期間をきっかけに普段は考えないことに目を向けて欲しい」とその意図を語り、選手たちの人間的な成長を願っている。

 ある時に送ったLINEには、

『感謝の気付き』
いま、自分が生きている環境の中で、本当にいろんな人が関わってくれていることを痛感します。ただ、そこに気付くことができるどうかは本人次第。
いま、ご飯を食べれること。
学校に行けること。
野球ができること。
お風呂に入れること。
布団で眠れること。
すべて当たり前ではない。
そこに気付けるかどうか。
そこに感謝していくことは本当に大切なことだと考えます。

 またある時には、

『自分への問いかけ』
日常の中で大きな敵が真横に存在してます。
それは「自分への甘さ」
だりーきちーめんどくせーってやつです。
それは誰にでもあり、いつでもひょっこり顔を出します。
(中略)
「おいっ!俺っ!これでほんと大丈夫か?」自問自答のワードです。
日常でも野球でも共通です。
自分への厳しさは必ず何事にも結果に反映します。勝負する対象は「人」ではなく、「過去の自分」です。
昨日の自分より、より高いことにチャレンジすることの積み重ねが日々を成長を作り出すのだと考えます。

 一度のLINEで送る文章は、多い時には500字を越えることもあり、本村監督の熱く、考えさせられる言葉が並ぶ。
 選手たちには「返信はしなくも大丈夫」と伝えており、「文章の捉え方は人それぞれです。そこに正解はないので、そこから自分で感じたことを大切にして欲しい」と思いを口にする。

 大学時代は、東海大で菅野智之投手(巨人)や田中広輔選手(広島)らと同期であった本村監督。トップレベルの選手を知り、また社会の荒波に揉まれる立場であるからこその言葉だろう。
 感染拡大が終息して、またグランドに立てる日が来た時には、選手たちが人間として成長した姿を見せてくれるに違いない。

(取材=栗崎 祐太朗

関連記事
中学野球もコロナの影響が…。中学硬式・軟式の各大会中止・延期情報一覧リスト
活動中止の波が広がる中学野球 リトルシニアはTシャツの無償配布で「選手たちに勇気を」
中学屈指の138キロサウスポー・川井泰志(桐生ボーイズ) 運命を大きく変えたボーイズ日本代表での経験

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.20

【秋田】横手清陵と本荘が8強入り、夏のシード獲得<春季大会>

2024.05.20

【岩手】花巻東、水沢商、盛岡誠桜、高田が8強入りして夏シードを獲得<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?