Column

木村、秋山、松浦など速球派が多かった左腕も高評価

2021.09.30

木村、秋山、松浦など速球派が多かった左腕も高評価 | 高校野球ドットコム
松浦 慶斗(大阪桐蔭)、木村 大成(北海)、秋山 正雲(二松学舎大附)

 10月11日のドラフト会議が迫ってきた。ドラフト会議の解説でお馴染みのスポーツライター・小関順二さんをお招きし、今年の高校生や、各球団の補強ポイント、おすすめの1位候補を語ってもらった。

 第4回は今年は北海木村 大成投手、二松学舎大附秋山 正雲投手、大阪桐蔭松浦 慶斗投手など、豊作だった高校生左腕について語った。

――今年は左投手も多かった。木村投手はどんな印象をお持ちですか

小関:春はよくて夏はややステップが狭かったかな。春センバツで見ただけで、うまいだけじゃない、プロでも3位くらいで指名してもらえるなと思った。

 北海の最速150左腕、木村は春夏ともに甲子園でその自慢の速球を披露した。センバツ、夏ともに、神戸国際大附が相手となる奇遇。春負けた雪辱を期した夏も、残念ながら負けてしまったが、素材の高さは甲子園に残してきた。左で150キロを出せるのは魅力だ。小関氏の言うように、左投手の薄い球団が将来性を買って上位指名する可能性は十分ある。

――秋山投手は甲子園でも好投を見せました

小関:あるスカウトの評価が高くて、風間より秋山がいいというんです。左の170センチの秋山と、180後半の風間とはまったくタイプが違う。でも、そう言われて、秋山を見たら、やっぱりいいですね。上背はなくても本格派の凄みもあって、球も堂々としていい。フォームがとにかくいい。チェンジアップもものすごく切れるし、勝負球を持っているのは強味だ。

 二松学舎大附の秋山については、170センチの割には「本格派左腕」としての素質を感じている。右打者の内角へ、ズバッと投げ込むメンタルの強さと、技術の高さは、直球で勝負できる左腕として評価できる点だろう。さらに、右打者への攻めで有効なチェンジアップの切れを高く評価。実戦的な左腕として指名される可能性は高い。

――松浦投手についてはどうでしょうか

小関:松浦については、春は150キロ左腕と言われて期待しすぎた。これじゃプロはダメだなと思っていたが、夏は、あの(雨の)ぬかるみの中で、辛抱強くよく投げた。球持ちもよく、悪条件でも内角を攻め続けて一定の速さも出ていたし、あんな条件で140キロ以上でてたしね。環境がちょっと悪すぎたね。ひどかった。ああいう悪いところでもいい球が投げられるのはいい。

 大阪桐蔭の松浦は、「不運」に見舞われた1人だった。東海大菅生との好カードも、雨天コールドゲームで両者不完全燃焼のまま、大阪桐蔭が勝利した。時折、激しく雨が振り、グラウンドがぬかるみ、マウンドも投げられる状態ではないように見えたが、その中でも打者を攻め続けた松浦の姿を評価した。足元が悪いなかでも強い球が投げられるのは、そう簡単にできることではない。下半身の強さ、メンタルの強さ、左腕としての素質の高さを垣間見たからこその評価なのだろう。

(記事:編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【岩手】一関二、盛岡誠桜などが初戦を突破<春季大会>

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.18

【関東】昌平・山根が2発5打点、東海大相模・4番金本が2ランなどで初戦を快勝、東海大菅生は山梨学院を完封<春季地区大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?