試合レポート

国府台vs松戸向陽

2020.08.02

11得点の猛攻!国府台が松戸向陽を5回コールドで下して2回戦進出!

 [stadium]船橋市民球場[/stadium]の2試合目、国府台松戸向陽の一戦は初回から国府台が猛攻を見せた。

 1番の池尻千馬がいきなりの二塁打でチャンスを作ると、4番・西浜彪我のタイムリーで国府台が先制に成功。さらに8番・手塚駿のレフトへのタイムリーなど一挙5得点の攻撃で試合の主導権を握った。

 このリードをもらった国府台の先発・國司裕一郎。セットポジションから足を素早く高く上げると、そこからゆっくりと重心移動して、インステップさせる。ストレートと加えてカーブなどの縦の変化球を外角中心に集める投球。2回に松戸向陽5番・青嶋勇佑にヒットを許して得点圏に背負うものの、落ち着いた投球でホームを踏ませない。

 その後、国府台打線は2回に3番・江口恭太と6番・濱田優大のスクイズなどで4得点を奪った国府台。そして4回には相手のバッテリーミスで10点目を奪うなど一気に試合を決めた国府台松戸向陽を11対0の5回コールドで下して2回戦進出を決めた。

 5回までではあるが、松戸向陽打線を3安打に封じ込めた國司。特徴でもあるインステップしていることについて試合後に聞いてみると、「元々癖でインステップをするフォームになっているのですが、僕のなかでは3塁側のプレートを使うことでバッターに少しでも打ちずらさを感じられるように工夫をしています」とコメント。

 監督やメジャーで活躍するダルビッシュ有の投球フォームも参考にしながら自分だけの武器に磨きをかけてきた。次戦の専大松戸戦に向けて、「自分たちの野球が出来るようにしたいです」と意気込みを残した。


 10安打を放って快勝した国府台は練習グラウンドが狭く、バッティング練習ではフリーバッティングができないとのこと。どれくらい打球が飛ぶのか、その感覚がつかめない代わりに大事にしたのは打球スピードだと、4番に座り2本のヒットを放った西浜はこのように語る。

 「チーム全体で『鋭い打球を打とう』ということで1球1球大事に練習をしてきました。そのためにチームメイト同士で打撃フォームを確認して、指摘し合ってきました」

 次戦は専大松戸だが、主将の池尻は「相手は格上なので、チャレンジャーという気持ちで、三振やエラーをしてしまっても楽しんで思い切りやりたいと思います」とコメントをした。

 一方、敗れた松戸向陽倉持将太主将は「自分が投げて打たれたのは悔しいですし、バッティングを大事にしてきたのに3本しか出せなかったのも悔しいです」と試合を振り返る。しかし今回の事態について話を聞くと、「イレギュラーで経験できないことを経験したことは次に繋がっていくと思います」と納得した表情を見せていた。

 また普段は選手とともにプレーをして、練習試合にも出場。この試合は記録員としてベンチ入りしたプレーイングマネジャーの福島萌夏さんも「楽しくやれて良かったです」と涙をこらえながら質問に応じてくれた。高校野球には1つ区切りがつくこととなったが、主将の倉持が語ったように、この経験が将来に活かされることを願うばかりだ。

(記事=田中裕毅)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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