試合レポート

志学館vs検見川

2018.04.28

志学館、初回10得点のビッグイニング!検見川に5回コールド勝ち!

志学館vs検見川 | 高校野球ドットコム
本塁打を打った北村 泰盛(志学館)

 強豪・志学館と昨年、春、夏でベスト4の検見川の実力校同士の対決は思わぬ試合展開となった。

 1回表、志学館はいきなり一死満塁のチャンスを作り、5番永井 陸(3年)の2点適時打で2点を先制。6番小島 颯太(3年)が四球で出塁したところで、先発の坂本 優(3年)はレフトへ。ショートで先発した平良 虹凱(3年)がマウンドに登る。平良は常時120キロ後半~133キロの速球とスライダーで勝負する右投手。レベルの高い投手を送り込んだ検見川だが、志学館打線の勢いは止まらない。7番森 隆太郎(3年)が痛烈な中前安打を放ち、4点目を入れると、8番北村 泰盛(3年)が133キロのストレートを弾き返すと、打球はライトスタンドに飛び込む3ランとなり、7対0と大きく点差を広げた。その後も志学館は、4番山本の適時打、5番永井の2点適時二塁打で、初回に10点を入れるビッグイニングを作った。

 その後も志学館は着々と加点し、2回表には7番森の本塁打が飛び出すなど、5回まで12安打14得点の猛攻を見せる。志学館の先発・小林 裕太(2年)は2回裏に9番小見山 颯生(2年)の適時打で1点を失い、3回裏、2番久田に投手強襲安打を打たれたところで降板。2番手としてマウンドに登った加藤 泰晴(3年)が目覚ましいピッチングを見せる。3番滝沢 楓(3年)に安打を打たれ、無死満塁のピンチを招いたものの、常時136キロ~142キロの速球でねじ伏せ、ピンチを切り抜ける。

 加藤は4回裏も三者凡退に打ち取り、5回裏もあっという間に二死。しかし3番滝沢にストレートを打たれ二塁打とされると、4番平良に高めの138キロのストレートを捉えられ、2ラン本塁打を打たれてしまう。3、4回には140キロ台のストレートが低めに決まり、10球で140キロ以上を計測した。ブレーキが利いたカーブもよく、制球力良く投げることができていただけにもったいなかった。

 その後、加藤から3番手・大南 寛人(3年)に変更したが、大南も制球を乱してしまい、二死満塁から押し出し四球で1点を与え、4番手の阿部海也(3年)が登板。阿部が最後の打者を三振に打ち取り、5回コールド勝ちで2回戦進出を決めた。

 志学館は昨秋負けた課題として「打力アップ」を課題に掲げており、振り込みと筋力アップを中心に取り組んできた。この試合では、下位打線から2本塁打が飛び打すなど、冬の取り組みが実を結んだと言えるだろう。また、2番手として登板した加藤が140キロ台を連発するなど、投打で楽しみな内容を残した志学館。2回戦でもパワフルな野球で圧倒できるのだろうか。

 一方、敗れた検見川だが、スコアほどの実力差はなかった。9安打を放っているように打力の高さは確かなものがあり、特に本塁打を放った平良は130キロ後半の速球にしっかりとコンタクトできる技術は素晴らしく、投手としては130キロ中盤のストレート、スライダーを投げ分ける。遊撃守備でも強肩を生かし、深い位置からアウトにできる守備力を兼ね備えており、次のステージを狙える実力を持った逸材であった。

 これで検見川は夏の大会ではノーシードに回ることになるが、それだけに怖い存在であることは間違いない。

(文・写真=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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